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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
第一巻
【第十二話】

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――学食――


 パクりと一口食べたところで隣を見ると、一人の女子が扇子を持って立っていた。

 よく見ると、二年生――先輩のようだ。

 リボンの色が黄色なので二年生。

 ちなみに一年は青、三年は赤だ。


「どんな噂かわかりませんが、多分そうだと思いますよ?」


 そう返事をすると、先ほど妹が座っていた正面の席へと座り、組んだ腕をテーブルに乗せ、若干上目遣いで此方を見てくる。


「イギリスの代表候補生のコと勝負するって聞いたけど、ほんと?」

「あー……はい、そうですね」


 まああれだけド派手に喧嘩したり、挑発してるから噂の広がるのが速くても仕方ないかな、これが。


「ふーん……よかったら私が鍛えてあげましょうか?君、まだ素人の筈だし――IS稼働時間どのくらいかしら?」

「鍛えて…?あ、えと…まだ三〇分ぐらいですね」

「成る程……。うん、おねーさんが君を特別に鍛えてあげるよ」


 鍛えて……話事態は非常に有り難いが…どうしよう。

 妹も面倒見てくれるとは言ってたが…。


「んふふ。妹さんが気になる?」

「え?ま、まぁ……」


 美冬が妹っていうのも、もう広がってるんだな――。

 というより同じ名字だもんな、誰でもわかるか。


「ならこうしましょう。平日の放課後は妹さんが、私は土日限定って事で」


 土日限定か……。

 まぁ全部日にち使わないと何も出来ずに終わりそうだしな……。

 ここは……この先輩に甘えようか。


「で、では土日限定でお願いします」


 ぺこりと頭を下げ、お礼を言うと――。


「うんうん、素直でよろしい♪――それじゃあ、土日に君の部屋まで迎えに行くね♪」


 そう先輩が俺に伝えると、先輩は席を立とうとする。

 そういや、まだ名前訊いてないな。


「せ、先輩。少し待ってください」


 慌てて先輩の手首を掴んだため、驚いた表情をしたが、直ぐに笑顔に戻った。

「何かな?おねーさんこれから少し用事が――」

「あ、いえ…まだちゃんと自己紹介してなかったから……知ってるとは思いますが、有坂緋琉人です」

「うんうん、おねーさんちゃんと自己紹介してくれる子好きよ♪」

「え――」

「んふふ。私の名前は更識楯無よ。――じゃあね♪」


 そう笑顔で応えた更識先輩はスカートを翻すと、タッタッタッと駆け足で学食を後にした。

 更識先輩か……覚えておくかな、美人さんだったし。

 っと、妹には土日は先輩に教えてもらうとメールを入れておくかな。

 怒られそうだが。
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