第二十七話 ピクニック気分の昼食っていいよな
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
授業は本当に面白かった。
最初の授業は『魔法薬学』。
魔法薬の作り方を教えてもらうのだが、方法もそうだが、それ以上に興味深かったのは、見たことも無い植物や果実だった。
様々な薬草や毒草についても知識を得た。
こんなに授業が面白いと思ったのは初めてだった。
次の授業は『歴史学』だ。
これはこの世界の歴史を学んでいく科目だ。
その中で一番興味深かったのは伝承歴だった。
古くから伝わっている数々の伝承などを紐解くのはとても面白い。
ただ、やはり異世界だなと感じたのは、その伝承の中にドラゴンという文字があったからだ。
その文字を見てからというもの、ドラゴンに会いたくてたまらなくなった。
男なら一度でいいからこの目で見てみたい。
ゲームではなく、この世界には実在しているのだ。
その事実が、闘悟の知識欲を刺激した。
他にも、伝説の魔法士や、禁じられた魔法など、今では失われたとされている数々の伝承にも目を奪われた。
こんなふうに、こっちの授業では、日本と違って眠気など襲ってはこなかった。
それどころか、時間が進むのが早過ぎて、物足り無ささえ感じていた。
昼になると、クィルが傍にやって来た。
そういや、ここには学食というものが無い。
だから、ここの学生は弁当を持参するか、一度学園から出て昼食を食べに行くかの選択をする。
だが、クィルの場合少し事情が違った。
何と弁当を持参するのではなく、昼食がこの学園に届くのだ。
さすがは王族だとしみじみ感じた。
いつも昼食をとっているという広場に着くと、そこにはあのカニルがいた。
彼女はクィル専属のメイドである。
芝生の上には、大きなシートが広げてあった。
その上には美味しそうな料理が用意されてあった。
「ここで食べるのか? 王女ともあろう者が?」
普通ならもっと気品ある所で食べるのが王族なのではないかと思った。
「はいです。私ここが好きなのです。とても風が心地良くて」
なるほど、確かに頬を撫でる風が凄く気持ち良い。
ここならピクニック気分で楽しみながら昼食を食べることができる。
ここに連れてきてくれたクィルの気持ちが理解できた。
「それにです、王女だからといって特別扱いは嫌なのです。できるだけ皆さんと同じ目線で過ごしたいのです」
あの王にしてこの姫ありだな。
民と同じ目線で過ごすことができる王族なら安泰(あんたい)だな。
でもまあ、昼食が届くという時点で、平民とは少し離れてはいるが。
「さあ、頂きますです」
闘悟とクィルとミラニがシートに向かおうとすると声が聞こえた。
「ねえねえ、アタシ達
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ