第二十七話 ピクニック気分の昼食っていいよな
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も一緒にい〜かな?」
そこにはメイムとヒナ、それにカイバもいた。
「オレはいいけど……クィルは?」
「とても嬉しいです」
「だってよ」
三人の顔にホッとした様子が見て取れた。
メイムが言うには、ミラニとはたまに一緒に食事をするが、やはり王女であるクィルとは距離を取ってしまっていた。
何度も話しかけて仲良くなりたいと思ってはいたが、今まで一歩踏み込むことができずにいた。
だが、闘悟が転入してきたことをきっかけにして、話し易い闘悟を間に入れることでクィルに近づくことに成功した。
利用したみたいで闘悟には悪いが、闘悟の存在があったお蔭で、こうしてこの場にいられることに感謝をした。
クィルもクィルで、自分は普通に接してもらいたいと思いながらも、持ち前の人見知りでなかなか友達を作れずにいた。
彼女もまた闘悟のお蔭で、こうして大勢で昼食を食べられる機会を得ることができたことを嬉しく思っている。
「うっは〜美味すぎだろコレ!」
カイバがカニルが持ってきた料理を口にして感動していた。
それはメイムやヒナも同じだったようだ。
野菜や肉、果物などバランス良く作られている。
見た目も味も最高ランクだ。
「カニルはお料理上手なのです」
「へ? これってカニルが?」
闘悟は目の前の豪華な料理を見てポカンとする。
「はいです。カニルは家事の天才なのです!」
「へぇ、すげえなカニル!」
「お褒めに与(あずか)り恐縮(きょうしゅく)です」
丁寧に頭を下げる。
「そっかぁ、やっぱ嫁さんにするならカニルみたいに家事ができる女の子がいいよな」
闘悟のこの言葉の衝撃で体を硬直させたのはメイム以外の女性全員だった。
褒められたカニルは頬を微かに染め「恐縮です」とだけ言う。
基本無表情の彼女には珍しい反応だった。
もう一人の無表情キャラのヒナは、料理に視線をぶつけて睨むように観察している。
ミラニは何故か飲み物を気管に詰まらせたのか咳き込んでいた。
クィルは、何かブツブツ言っている。
「料理……家事……お嫁さん……」
何度も繰り返し呟いてはいるが、あまりにも小声なので聞き取れない。
「あはは〜さっすがトーゴくん! たらしの素質アリだねぇ〜」
メイムが面白そうに笑う。
失礼な奴だ。誰がたらしだ。
メイムの言っている意味が全く理解できねえ。
オレは褒めただけだぞ?
こうして変な雰囲気が場を支配してしまった昼食タイムは終わりを告げた。
「……俺、忘れられてね?」
ネコミミ男子が寂しく呟いていたのを知る者は誰もいなかった。
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