第二十五話 粋なネームングだなケリチョーカー
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
朝はクィルの他に、ミラニも一緒に学園へ向かった。
彼女曰く、また面倒事を起こされては敵わないとのことだった。
だが、厄介事というのは異世界人、いや、闘悟には付き物なのか、昨日の金髪イケメンがまた現れた。
しかし、その表情は昨日のように怒りに歪められてはおらず、むしろ嫌味そうな笑いが含まれていた。
「これを受け取れ」
金髪イケメンであるリューイは、手を差し出した。
そこには白と黒が入り混じったチョーカーがあった。
こんな色のチョーカーは見たことは無い。
少なくともルームを識別する色には無い。
闘悟は差し出されている手の上のチョーカーを見る。
だが、その様子を見ていた周囲の者達は一斉にざわめく。
隣にいるクィルも目を見開く。
ミラニはやれやれといった様子だ。
小さな声で「また面倒な事を」とか言っている。
どうやら、リューイのこの行為は周りに衝撃を与える意味があるらしい。
本来なら警戒して受け取らないか、チョーカーの意味を聞いてから考えるが、闘悟はすんなりとそれを彼の手から取る。
すると一段と周囲が騒がしくなる。
「受け取ったな?」
意地が悪そうに口角(こうかく)を上げるリューイ。
「場所と時間は使いに知らせる。楽しみにしているんだな」
そう言葉を放って去って行く。
リューイが去って口を開いたのはやはりミラニだった。
見るからに呆れていた。
「はぁ……貴様は本当に……」
「ははは! ま、これも人徳ってやつかな!」
「馬鹿者! 何が人徳だ! 貴様の人徳は言うなれば人毒だ!」
「お、上手いこと言うじゃねえか!」
いや、でもさすがに人の毒ってやつは酷くねえ?
そんなに周囲に害を及ぼしてる?
「ト、トーゴ様?」
「何だクィル?」
クィルがまた不安顔をしている。
「そ、それは『ケリチョーカー』と呼ばれるものなのです」
「けりちょーかー?」
「は、はいです」
「何だそれ?」
すると、息を軽く吐いたミラニが話し出す。
「『ケリチョーカー』というのは、決闘用に使用される特別なチョーカーだ」
「決闘用?」
「ああ、色を見てみろ」
色は白と黒のチョーカーだ。
「その色は白黒つけるという意味が込められている」
「ほぅ」
「また、『ケリチョーカー』のケリは、決着(けり)をつけるのケリからきているのだ」
なるほど。
分かりやすいな。
「決闘して白黒つけたい相手にこれを手渡す。そして、もし申し出を受けるならそれを受け取る。そうすることで決闘が成立する」
「へぇ」
闘悟は『ケリチョーカー』を手
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ