第一章
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「さて。何かな」
「月の世界ですよ」
ここでこう述べるエックリーティコであった。
「月の世界なのです」
「月にも世界があったのか」
「驚かれましたか?」
「勿論だよ」
実際に驚いた顔で答えるブオナフェーデであった。
「そうだったのか。月にも世界があったのか」
「しかもです」
エックリーティコのうそは続く。
「この社会は物凄い社会で」
「一体どんな社会なんだい?」
「まずは浮気した女はすぐに男に叩かれ」
「ふむ、それはいいな」
ブオナフェーデはとりあえず男である自分達のことを棚にあげて頷く。
「浮気した女なぞ許してはいけないからな」
「その通りです。その場合容赦なく叩かれます」
また述べるエックリーティコだった。
「そしてです」
「ほう、まだあるのか」
「老人が若い娘さんに物凄く優しくされるのです」
このことも話すエックリーティコだった。
「もういたせりつくせりで」
「まるで天国の様な世界だな」
「どうですか?行ってみたいですか?」
「月に行けるのかね?あそこに」
「実はですね」
エックリーティこの嘘はここでさらにエスカレートした。
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