第二章
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私、なにやってるんだろう…
薄暗い廊下で、壁にもたれて大きく息をつく。
「なに、やってんだろう」
声に出してみた。…洗面所のドアの向こうから、河童の鼻歌が聞こえる。2階からは、沙耶と琴美の笑い声が聞こえた。…もう、こっちに付き合ってくれてもいいのに。
「おほー、2週間ぶりのシャワーだ!」
蛇口全開にされたシャワーの水音と河童の奇声が反響して、浴室はすごく騒がしい。
「静かに浴びてください!…隣近所にだって、見張りを頼んでるかもしれないんだから」
「…お前、そこでなにやってんの」
「あなたが不穏なことを企まないように、見張ってるんです」
どはははは…と浴室に下品な笑い声がこだまする。
「俺だって小学生はストライクゾーン外だ」
「し、失礼な!中学生ですっ!」
「中一?」
「………だったらなんですか」
「4ヶ月前は小学生じゃねぇか」
鼻歌交じりに、憎たらしいことを言う。…なによ、ひとの家に勝手に押しかけて、シャワー全開で使ったあげくにセクハラ発言?
「…ちなみに、沙耶ちゃんと琴美ちゃんは同い年?」
「みんな同級生ですっ!」
つい声を荒げてしまった。ムキになっても喜ぶだけなのに。
シャワーの音が止まった。…はぁ、ようやく出てくる。はやいとこ、あいつをガレージに追い払って、部屋に戻らなきゃ。
「今の子は発育がいいな。琴美ちゃんのほうなんか、ありゃBカップくらいあるだろ」
…もう決めた。何言われても相手にしない。
「流迦ちゃんも頑張れー」
…うるさい。黙れ。もう何も喋るな。
「こ〜んなスポーツブラとかしてる場合じゃないぞ〜」
…黙れって。もう相手してやんないんだから。
………
………
……なに―――!!
「こっこの変質者!!」
頭が真っ白になって、気がついたら、全裸でうずくまる変態河童を檜の手桶で滅多打ちにしていた。肩で息をしながら涙目の河童にさらに蹴りを入れる。
「出しなさい!!どこにしまったの!!」
「おっお前…俺は冗談で…」
「冗談で何!!いいから出しなさい!!」
「だから冗談だよ!見てないって!!」
……見てない……
「スポーツブラかなーと思って、ちょっとカマをかけてみただけだ!…お前、大人しそうな顔して恐ろしい娘だな…」
頬にばっと血が上った。…こいつ…こいつ……!!
「ゆ…許せない!!死ねこの変態河童!!」
「ちょ、ちょっと待って、死ぬ前にパンツ履かせてくれ」
「うるさい、全裸で死になさい!!」
「まじで!?羞恥プレイ!?」
「……流迦、なにやってるの?」
再び手桶を振り上げた瞬間、騒ぎをききつけた沙耶と琴美が降りてきた。
「た、助かった!聞いてくれ、この暴力娘が突然飛びかかってきて桶で打擲を!!」
「だってこの変態が!!」
この変態に…スポー
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