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『言霊使いと幻想郷』
第十七話
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雄飛をスキマに落とした。

「……容赦ないわね紫……」

「馬鹿な事を考えてたからね。それより霊夢、そろそろ誠君を見に行けば?」

「それもそうね」

「部屋に案内します」

 霊夢は咲夜の後をついて行った。

「ところで……その吸血鬼はどうするのかしら?」

 紫は縄で拘束されているフランを見た。縛られたフランの周りにはニンニクが置かれている。

「……謝罪するわ。私の勝手で今回のような事態になってしまった。私の首を取れば博麗の巫女も治まるでしょう」

 レミリアはそう言った。要は自分のはねる代わりに妹を助けてほしいとの事だった。

「私に言う事じゃないわ。それを判断するのは誠君よ」

 紫はそう言ってスキマに消え、残ったのはレミリアとパチュリーの二人だけであった。



「……知らない……天井だ……」

 いきなりで済まないな。何せ電波を受信したもので。

「えっと……確かもう一人の吸血鬼にやられたはず……」

 ……そこからの記憶が無いな。何か俺の中で何かが起きたと思ったんだけど……。

「誠兄ッ!!」

 そこへ霊夢とメイドさんが部屋に入ってきた。

「よう霊夢ってわッ!?」

 れ、霊夢がいきなり抱きついてきた。デレ? デレなのか?

「グス……心配したんだから……」

「……ありがとうな霊夢。ところで俺が倒れてた後はどうなったんだ?」

「そ、それは……」

 何で口ごもるんだ?

「それは俺が説明しよう」

 そこへ孝之がひょっこりと顔を出した。



〜〜青年説明中〜〜


「成る程、俺も祓えずに幻想郷に来てたからな。それは不思議に思ってたな」

 孝之の説明に俺はうんうんと頷く。

「まぁ雄飛さんが祓ったから暴走はしないそうだ」

「雄飛さんか……久しぶりに聞いたな。あの人はまだスカート捲りをしているんだろうか?」

 よく雄飛さんを見たが大抵がマリアベルさんのスカートを捲ってたからなぁ。

「後で永遠亭の永琳さんに診てもらうか」

 起き上がるとちと痛むからな。

「八雲誠」

「御嬢様」

 そこへ今回の異変の首謀者であるレミリア・スカーレットが入ってきた。

「この度は申し訳なかったわ。謝罪代わりに私の首をあげるわ。その代わりフランには手を出さないでほしい」

「御嬢様ッ!!」

 レミリアの言葉に孝之が驚く。それは俺もだ。

「控えなさい孝之。今回のは誰かが責任を取らなければならないのよ。それが私よ」

 レミリアはそう言って俺に視線を向ける。

「私を八つ裂きにしても構わない。でもフランには手を出さないでほしい」

「……急すぎる展開だけどな……」

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