黄巾の章
第6話 「こ、孔明の罠だぁぁぁぁぁぁぁっ!」
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謝する」
そういって深々と頭を下げる馬超さん。
「あんまり気にするな……雛里」
「はい」
「俺は報告を聞きにいく。馬超のことを頼む」
「わかりました」
「では馬超どの……お大事に」
そういって盾二様は天幕の外に出て行かれました。
……さて。
そろそろ背中の膏薬と葉っぱは取り替えたほうがいいですね。
「では、馬超さん。背中の薬を塗り替えますので……うつ伏せになっていただけますか?」
「ああ……えっと?」
「あ、私は鳳統士元と申します。盾二様の臣です」
「そっか……じゃあ頼むよ」
「はい」
馬超さんは服を捲りつつ、うつ伏せになりました。
私は古い葉っぱをゆっくりと剥がした後、葉っぱを水に浸して薬草を潰したものを新しく塗りこんで背中に貼り付けます。
「なあ、あの北郷って人……」
「はい?」
「義勇軍の軍師って言ってたよな。この義勇軍を率いているのって誰なんだ?」
「えーと……一応、盾二様がご助力なされている桃香さ……劉備玄徳という方が名目上の筆頭となっています」
「名目上って……つまり名前だけってこと?」
「……はい。実際、この義勇軍を動かしているのは盾二様です。劉備様は……大徳はありますが、人を率いるのにはあまり向いていませんので……」
「なんだい、そりゃ」
「……まあ、お会いになればお分かりになるかと」
「はあ……まあいいや。それであの北郷って人、軍師って言ってたけど……かなり強いだろ?」
「はい。盾二様は文武ともに尋常ならざるものを持っておいでです。私と朱里ちゃん……孔明は、盾二様個人にお仕えしていますから」
「……つまり客将みたいなもの?」
「いえ……その」
官軍の方に解るだろうか……仲間という概念が。
私が説明しようとしたそのときだった。
「ひ〜な〜りちゃ〜ん! はいってもい〜い?」
桃香様の声が天幕の外から聞こえてきた。
「あ、ちょっとまってくしゃい! ……これでいいです。服を戻しますね」
「あ、ああ……」
「はい。いいですよ、桃香さま」
私が声をかけると、桃香様が手にいっぱいのびわを持って入ってくる。
「あ、初めまして! 確か馬超さんですよね? 私は劉備玄徳っていいます! これ、お見舞いのびわです!」
「あ、ああ……どうも、ご丁寧に……」
桃香様の元気はつらつとした表情に、若干引き気味の馬超さん。
「大変でしたね……お体大丈夫ですか?」
「え? あ、ああ。平気平気! あたし身体だけは頑丈だからぜんぜっ……つつっ!」
「あわわ……だ、だめです。無理すると痛みが増しましゅ!」
私があわてて馬超さんを寝かせて、布団をかぶせる。
「ああ……すまない」
「無理しないでくださいね……桃
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