黄巾の章
第6話 「こ、孔明の罠だぁぁぁぁぁぁぁっ!」
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ぼそ)」
「(ぼそぼそ)」
「そこっ! ぼそぼそ言ってんじゃねぇ! 見せもんじゃない! 散れ散れ!」
思わず周辺にいた義勇兵に怒鳴る。
珍しい俺の剣幕に、足早に去ってく兵たち。
「ああああ……と、とにかく朱里、泣きやん……だ? 大丈夫?」
俺はたぶん、生まれて初めて女関係で狼狽しているんじゃないだろうか……?
「は、はい……だいじょうぶ、れしゅ……」
そう言って、やっと立ち上がる朱里。
顔が真っ赤になっている。
そりゃあれだけ泣けばな……
「あー……うん。まあ辛さを体験しろっていう俺の言葉通りだけどさ。その辛さは忘れず胸に秘めておけ。そしてそれを味わわないように努力を怠るなよ?」
……慰めになってないな。
俺って慰めんの下手?
……なんか自分が情けなくなってきた。
誤魔化すために朱里の頭撫でておこう……
「はぅ……」
あ、またちょっと涙目で湿っぽい声が……
い、いかん!
よ、よし、奥の手だ!
「大丈夫だって……ほら」
「! はわっ!」
ぎゅっ、と朱里の前に膝をついて抱きしめた。
そうだ、子供は……抱きしめるに限る!
「俺はここにいるだろ? 怖くないよ……」
「はわっ! はわわ! わっわわっ!」
「大丈夫、大丈夫……」
俺はそう言って、眼を閉じながら朱里の髪を梳かすように撫でる。
たしか、これで泣いた子供は泣き止むはず……かな?
「は、はぅ……はひゅぅ……ふひぇ……ひゃぁ……」
あ、朱里の身体から力が抜けてきた。
よしよし、やっと落ち着いてきたか……
あーまいった。どうにも幼女の泣き声は苦手だよ。
俺は内心でため息を吐きつつ、眼を開けた。
……開けなきゃよかった。
「「「「………………」」」」
な、なんでせう。
そこにはさっき怒鳴った兵が連れてきたであろう、桃香に愛紗に鈴々に雛里がいて……
あ、あれ?
なぜに俺は修羅のような子たちに睨まれてイルノデスカ?
「……ゴシュジンサマ」
「……ナニヲシテオイデカ」
「はー……お兄ちゃん、朱里泣かしてたのか?」
「……シュリチャン、ウラヤマシイ……ネタマシイ」
い、いかん!
鈴々以外が般若に見える!
「あ、いや、別に俺が泣かしたわけじゃなくて! い、いや、泣いた原因は俺かもしれない……ってそうじゃなくてだな! 朱里! 君から事情をせつ……め?」
「はひゅぅ……」
あ、あれぇえ!?
いつの間に気絶してるんですか!
顔が真っ赤になって口から何か白いものがでて……
「「「ナ ニ ヲ シ テ イ ル」」」
うあ……
三人の後ろに黒い炎が見
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