黄巾の章
第6話 「こ、孔明の罠だぁぁぁぁぁぁぁっ!」
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西涼の皆を殺しちまった……あたしが、弱いから……
「ぅぐ、ぐ……ふっふぐっ……ぐっ……ぅ……くっ……ぁくっ……」
背中が痛い。
心が痛い。
胸も痛い。
いろんなところが痛くて痛くて、苦しくて……
あたしはいつの間にか泣いていた。
―― 孔明 side ――
私は天幕の外に出ました。
中では馬超さんが泣いています。
「自分の指示一つで、敵も味方も死ぬ。指示した者の辛さと悔しさ……これがそうなのですね、盾二様」
馬超さんは今、自分の力の無さを嘆いているのでしょうか。
それとも死んでいったお仲間の方々のことを想って……?
私には想像しかできません。
「もし、私の策で盾二様が死んじゃったりしたら……」
想像してみます。
私の失策で盾二様が全身に矢を浴びて、血を流しながらゆっくりと倒れ……
……あれ?
気がつくと、私の頬が濡れています。
あれ? あれ?
なんで私泣いているの?
「……っく、ひっく、ひっく……なんで? にゃんで、わらし、ないて……」
「おーい、朱里……ばちょおおおおおおっ!?」
あ、盾二様が立っている。
盾二様……生きてる。生きてるよぉ……
「ふぇ、ふぇぇぇぇぇぇぇぇぇ……」
「え!? ちょ、なに? どうしたの!? えっ!? 俺、なんかした!?」
じゅんじざまぁ……
―― 盾二 side ――
「え、えーと。つまり……馬超が、部下が全部死んだのを泣いているのを見て、気を利かせて天幕を出たけど、指揮する人の辛さを感じて自分もそうなったときのことを考えて、俺が死んだところを想像したら泣いてしまった……ってことでいいのかな?」
「ばいぃぃぃぃ……ちーん!」
……………………
すまん、コメントできんわ。
「あ、あー、まあ……うん、そうだね。えーと……と、とにかく俺は死んでないから、ね? 大丈夫だよ!」
……ごめん。あんまりにも泣かれたインパクトが強すぎて……頭がフリーズしてますわ。
いや、こないだみたいに自分に非があることを自覚してれば覚悟できるけど……
ど、どう慰めりゃいいんだ、こんな時。
「はぁ……はぅぅぅぅぅぅっ!」
「! こ、今度はどうした!?」
急に朱里がその場で蹲って、手で顔を覆っている。
なんだ!? 今度はなんだ!?
「しゅ、しゅりさん? 大丈夫? どっかいたい? あ、お、俺はなんともないよ? 死なないって!」
「はぅぅぅぅ……」
はぅはぅ言っているけど……なんで?
あああああああ! もう! 女ってわけわかんねぇぇぇぇ!
「(ぼそ
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