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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-19魔女の憂慮
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と気が合うんじゃないかな、兄さんとは。それはそれで困るけど」
「ブライさんは、
足腰
(
あしこし
)
がお強いんですのねえ。これなら、旅も心配いりませんわね。」
「おばあちゃん。王子様が、心配なのね」
「心配の方向がおかしいがな」
再びブライが手綱を取り、南の洞窟に向かう。
鬼
(
き
)
気
(
き
)
迫
(
せま
)
るブライの様子にマーニャが空気を読み、積極的に魔法を使って敵を
蹴
(
け
)
散
(
ち
)
らし、
早々
(
そうそう
)
に洞窟に到着する。
「洞窟内には、わしも行きますぞ!ここは、譲れませぬ!」
「なら、オレが留守番か。洞窟は嫌いだし、丁度いいな」
「そうだね。トルネコさんをひとりで残すのは不安があるし、
前衛
(
ぜんえい
)
は必要だし。回復役の僕も
要
(
い
)
るしね」
「嬢ちゃんを
外
(
はず
)
しちゃ、旅の意味がねえしな。じゃ、気を付けてな」
「うん。馬車とパトリシアを、よろしくね」
トルネコを先頭に、少女、ミネア、ブライの順で続き、洞窟に入る。
洞窟の壁や天井は凍りつき、大きな氷の結晶が、水晶のように
煌
(
きら
)
めいていた。
「きれい……!」
「随分、気温が低いですね。だから、種を保管してるのか」
「床も、凍ってるところがあるわね。滑らないように、気を付けましょうね。」
「王子と病気のことが無ければ、ゆっくり観賞していきたいところじゃが。すまぬが、急ぎますぞ」
最初の階を通り抜け、階段を下りると、人の声が聞こえてきた。
「
鍵
(
かぎ
)
がかかっているな。よし、
蹴
(
け
)
破
(
やぶ
)
るぞ。下がっていろ」
若者の
促
(
うなが
)
しに従い、
連
(
つ
)
れの三人が、行く手を
阻
(
はば
)
む扉から離れる。
ひとり残った若者は、助走を付けて扉に近付き、その勢いのまま飛び蹴りを放つ。
凄まじい音と共に扉が内側に向かって
弾
(
はじ
)
け飛び、蹴破った若者は平然と、扉があった場所の向こう側に着地し、振り返る。
「扉は
開
(
あ
)
いた。行くぞ」
連れが動き出すのを待たず、どんどん中に進んで行く若者。
連れの兵士が、戸惑ったように言う。
「王子は確か、
盗賊
(
とうぞく
)
の
鍵
(
カギ
)
を持っていたよな。そんなに、扉を蹴破りたかったんだろうか。」
仲間の戦士が応じる。
「とにかく、追いかけよう。このままだと、見失ってしまう。」
最後の詩人も同意する。
「こんな場所で王子とはぐれては、私たちの身も危ないですからね。急ぎましょう。」
頷
(
うなず
)
きあい、若者を追いかけていく三人。
ブライががっくりと
項垂
(
うなだ
)
れ、
溜
(
た
)
め
息
(
いき
)
を
吐
(
つ
)
く。
「王子……。意味も無く、扉を破壊するとは……。なんと言う……」
「……やはり、今のがアリーナ王子様でしたか」
「恥ずかし
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