第七話 Father and Son
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声でそれを否定する。しかし国連をも黙らせるほどの強大な権力をもつNERVに迷惑をかけたのだ。それも完全に否定はできない。
「鈴原トウジ、相田ケンスケ」
鉄の戸の向こうから二人を呼ぶ声がした。立ち上がって、戸の上部についている檻の部分から相手を見ると、そこに立っていたのはスーツを着て、サングラス姿の男だった。NERV諜報部員。
「司令が命ぜられた。直ちに出て私の後について来い」
男は鉄の戸を開けると、二人を伴い歩き始めた。トウジとケンスケの緊張はピークに達する。
「ケンスケ、ワイら何処に連れて行かれるんや?」
「さぁ…もしかしたら…碇司令の所に…」
「そ、そんなはず…ないやろ…」
顔から血の気が引いて行く。顔面蒼白になった二人が連れていた所は、やはりNERV本部の最上階、司令室だった。
「碇司令、命令に従い連れてまいりました」
そう言って男は扉を開ける。二人は足を震わせながら部屋に入った。照明がなく、床や天井に謎の文様が一面に描かれ、そしてその部屋の中央で手を組むサングラス姿の男、全てに二人は圧倒され、気絶寸前まで追い詰められる。
「シンジ、わざわざ私の部屋を借りてまでこの二人に話したい事とはなんだ。私も忙しいのだぞ」
ゲンドウが姿勢を崩さず言った。その相手は、いつもは冬月の立っているポジションに居るシンジだった。
「ごめん…父さん…。でもこの二人には、絶対に分かってもらわないといけない事があるから」
「ならば手早く頼む。もうすぐ先の戦闘の損害報告書が上がってくるからな…」
ゲンドウはそう言うと目を瞑った。日々日夜関係なく走り回る彼は相当疲れていたようだ。そのままの姿勢で寝てしまった。
シンジはそれを確認してから、手錠をはめられたクラスメートに向かって、父のような迫力を示すような声で話しだした。
「二人とも分かっているだろうけど、君たちが先ほど行った行為は戦闘介入という、立派な犯罪だ」
「犯罪…」ケンスケの絶句。
「そんな、ちょっと待てや!! 戦闘介入言うたって、ワイら何も戦いに手ェ出し取らんで!?」トウジの反論。
しかしそれは、シンジの静かな声によって押しつぶされる。
「知っているだろうけど、君たち民間人はシェルターに避難する事が義務付けられてる。でも君たちはそれを破って戦闘地域に侵入、そのせいで多少なりとも戦闘に影響はあった。どんな小さなものでも、影響があったらそれでもう犯罪なんだよ」
二人が声を失い、シンジは二人を睨みつける。ケンスケが震える声で訊いた。
「い、碇…君。お、俺たちはこれから一体…」
「心配する必要はない。普通なら極刑もあり得る所だけど、今回は司令の判断で特別に拘留だけで済んだ。明
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