第二十三話 ホントいい子だよこの子は
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なふうにヒナの頭を撫でていた時、クィル本人に、女性の頭は軽々しく撫でてはいけないと注意を受けた。
それを思い出し青くなる。
や、やべえ! これはもしかして怒られるのか?
だから真っ赤に!?
手の動きが止まって不審に思ったのか、クィルが顔をそっと上げる。
そして、目が合う。
とにかく謝罪するべきだと思った。
「ご、ごめんっ!」
「ふぇ?」
いきなり頭を下げた闘悟に混乱するクィル。
「き、今日女の頭を撫でるのはダメだってクィルに言われたばかりなのに、ホントごめんっ!!」
両手を合わせて必死に許しを請う。
怒らせてしまって、宮殿から追い出された時のことを考えてしまう。
「……あ」
クィルは思い出したように声を出す。
「え?」
闘悟も放心したように顔を向ける。
すると、彼女は恥ずかしそうに目をキョロキョロさせる。
「あ、あのですね、あの時は、その……何と言いますか……少しヒナリリスさんが……羨ましかっただけで……」
「え? 何?」
ヒナの部分が聞き取れなかった。
「な、何でもありませんです!」
凄い勢いで頭を横に振る。
「そ、そうか?」
「は、はいです! ですからその、私は怒ってはいませんです! むしろ嬉しかったです!」
「あ、そうなのか?」
「は、はいです!」
ん〜よくは分からんけど、今回の撫で撫では良かったみたいだ。
そうか、撫でるタイミングとかがあるのかもしれない。
今みたいなタイミングなら撫でるのは良いことみたいだ。
よし、覚えておこう。
闘悟の辞書には撫でるタイミングには気を遣えと記された。
「あ!」
闘悟の声にクィルは首を傾げる。
「どうされたのですか?」
「なあクィル、今時間あるか?」
「え? あ、はいです。お夕食までなら大丈夫なのです」
「よっしゃ。それなら今から少しオレに付き合ってくれ」
「あ、はいです」
一体何の用事なんだろうと彼女は不思議に思った。
「あの……どこに行かれるのですか?」
「第二修練場だ」
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