第二十二話 個性豊かだなコイツら
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
「そうなの?」
ヒナの言動にメイムが目を見開く。
へぇ、何百年か昔とは聞いてたけど、そうか、二百年前か……。
「黒髪……黒目……異世界人の……特徴……だよ」
「そ〜なんだぁ〜」
カイバとメイムがしきりに頷く。
だが闘悟だけは興味深い視線をヒナに向けていた。
ヒナの知識に驚いていたからだ。
恐らく異世界人の情報は、そんなに広まってはいない。
それはギルバニア王も言っていた。
文献も少ないのに、彼女はどうやって異世界人の情報を得ていたのか、そのことに興味が湧いた。
「なあヒナ」
「……なあに?」
「どうしてそんなに知ってるんだ?」
「……わたし……知りたがり……だから……だよ」
ということは、ヒナはオレと同じように知識欲が半端(はんぱ)無いってことだ。
「お父様や……お母様にも……聞いたん……だよ」
「へぇ」
「他にも……図書館で……調べたり……したん……だよ」
何故かこの子に物凄く親近感が湧いた。
やっぱり知識ってのはいいよな。
「偉いなヒナは」
闘悟は微笑みながらヒナの頭を撫でる。
いきなりの行動に、彼女は瞬間ビクッとしたが、気持ち良さそうに目を細める。
ああ、何か愛でてるよオレ。
すっごい気分が和むわ。
「あ、あの……」
そんな申し訳なさそうな声を掛けてきたのはクィルだった。
何故か少し不機嫌な雰囲気を醸し出していた。
「ト、トーゴ様! 女の子の頭を、そんな簡単に撫でてはいけませんです!」
「え? あ、そうか? あ……と、ごめんなヒナ」
闘悟は慌てて手をどけるが、ヒナは物足りない顔をする。
「ううん……トーゴなら……いい……よ」
うわ! やっばいわ!
オレ娘ができたら一生嫁になんかやんねえっ!
「あはは! トーゴくんてば、なかなかのやり手なんだね!」
面白そうに笑うのはメイムだ。
「くっ、これが異世界人補正だとでも言うのか!」
おいネコミミ、何だその厨二的発想は?
てか補正なんて概念(がいねん)よく知ってたな!
悔しそうな表情で睨んでくるカイバをよそに、クィルは何故かふくれっ面になっている。
「ど、どうしたんだクィル?」
「何でもありませんです!」
そうしてプイッと顔を背ける。
ん? 何か怒らせるようなことしたかオレ?
「クィル様」
その場にいた者以外の声が聞こえた。
声が届いてきた方向を見ると、そこにはポニーテール団長ことミラニがいた。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ