第十一章
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「後藤さんは焦りやそうした感情がなくなってきています」
「俺からそれは」
「はい、消えてそうして」
そしてだというのだ。
「余裕が出て来ています」
「余裕か」
ここでだ。その急降下攻撃でだ。後藤は鰐のグリードを倒した。それと共に無数のメダルが弾け飛びアスファルトに落ちて転がる。
だが後藤は今はそのメダルを無視してだ。今度は梟のグリードに向かう。そうしながらだ。彼はエリカに対してこう尋ねたのだった。
「俺に今まで余裕は」
「はい、少なくとも伊達さんと会われるまでは」
それまではだというのだ。
「ありませんでした」
「しかしそれが」
「そうそう、後藤ちゃんも変わったんだよ」
伊達も蛇のグリードを無数のメダルに変えた。その総攻撃でだ。
そしてすぐに空にいる烏のグリードに対空砲撃を浴びせながらだ。後藤に話したのである。
「余裕もできたし覚悟もな」
「覚悟もですか」
「できたよ。はじめてバーズになった時のことは覚えてるよな」
「はい」
忘れられる筈がなかった。あの時のことは。
「俺はあの時伊達さんが死んだと思いました」
「ははは、実は違ったんだけれどな」
それは演技だった。後藤がバーズに変身する為にあえてしたのだ。
「けれどそれでもその時覚悟しただろ」
「バーズ、仮面ライダーとなり戦う覚悟」
「そう、それをな」
「仮面ライダーは人間としてスサノオと戦う」
「それも殆ど永遠にな」
「そうして戦う覚悟を決めた」
「そう、後藤ちゃんはあの時そこまで至ったんだよ」
はじめてバーズになったその時にだというのだ。
「まあそこはあの会長さんも俺を使ってそこまで引き上げさせたんだけれどな」
「そのことは知ってますが」
「どっちにしろ後藤ちゃんも成長してるんだよ」
「人としてですね」
「ああ、だから俺もな」
伊達自身もだ。どうかというのだ。
また砲撃を加えてグリードを撃破してからだ。乱れ散るメダルの中で言う言葉は。
「ライダーとして戦いながらな」
「そのうえで、ですね」
「ああ、病院をまた建てるよ」
この夢、欲望を適えるというのだ。
「世の中困ってる人はまだまだ多いからな」
「その欲望の為にですね」
「俺はこうして戦うさ」
今度はだ。地上にいる狼のグリードに向かい拳を繰り出す。的確にストレートとアッパーを出してそれで顎を打って退けている。
「俺の欲望の為にな」
「俺の欲望は」
「ライダーとしてだよな」
「はい、この世界を護る為に戦います」
後藤の欲望はだ。それになっていた。
「その為にも」
「そうそう、欲望にも色々なんだよ」
「いい欲望もあれば悪い欲望もですね」
「そこが大事なんだよ」
欲望の種類、それがだというのだ。
「後藤ちゃんはいい欲望に
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