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仮面ライダーオーズ 心が熱くなるもの
第九章
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「戦ってそうして勝たないとね」
「ただ。問題は」
 ここでだ。難しい顔で言ったのは比奈だった。
「戦場が何処になるかなんですけれど」
「とりあえず適の動きを待つしかないですね」
 エリカはこの考えだった。慎重策を採っているのだ。
「焦らずにここにいましょう」
「それでいいのか?」
 照井もだ。エリカの今の言葉には目を瞠った。そのうえで彼女に問い返したのだ。
「動かないで。それでもか」
「はい、構いません」
 平然としていた。そのうえでコーヒーを飲みつつだ。エリカは話す。
「どのみちあちらから仕掛けてきますので」
「確かにそうだね」
 エリカのその言葉に頷いたのはフィリップだった。彼は静かにこう言うのだった。
「スサノオのこれまでの行動を考えると待つことは絶対にせずに自分から積極的に仕掛けてきているからね」
「それならこの戦いもか」
「うん、僕達はまずは待っていればいいんだ」
 フィリップは左に対して簡潔に答えた。
「ただね。そうして待っていてね」
「そして仕掛けた時にか」
「動けばいいよ。ただね」
「ただ?」
「スサノオは今すぐにでも仕掛けてくるよ」
「すぐにもか」
「そう、スサノオは積極的に仕掛けてくるから」
 だからこそだというのだ。そしてだ。
 フィリップの今の言葉にだ。誰もが納得した。彼等の知るスサノオもまた、だ。そうしてくるからだ。彼等はそのことを踏まえて待つのだった。
 その時はすぐに来た。知世子が自分の携帯を見て一同に言った。
「大変、来たわ」
「スサノオが!?」
「やっぱり」
「ええ、新宿の都庁前にグリードが大勢出て来て」
 まさにだ。そこにだというのだ。
「暴れ回ってるそうよ」
「よし、それなら」
「都庁だな」
 火野と左が同時に声をあげた。そうしてだった。
 ライダー達とその仲間達は都庁の前に来た。するとそこにいたのは。
 無数の、まだミイラ男のままのグリード達だった。
 その彼等を見てだ。火野は言った。
「この戦いはな」
「はい、かなりの数ですよね」
「尋常な戦いじゃ済まないわね」
「ですが」
 それでもだとだ。火野は知世子に応えてだ。そのうえでこう言ったのである。
「俺達は勝たないといけないですね」
「そうだ。仮面ライダーならばだ」
 まさにそれが理由だった。左は彼等がスサノオに勝たねばならない理由をそこに要約した。
「人間ならな」
「じゃあ行くか」
 伊達が気さくにだ。自分のコーヒーを飲み干してから言った。
「都庁前にな」
「ええ、それじゃあ」
「仕事の時間ですし」
 後藤とエリカもだ。伊達の言葉に応えてだ。
 全員でだ。都庁に向かった。比奈と知世子もだ。二人は左達の巨大なバイクの中に入ったのだ。
 そのうえで都庁の前に
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