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形而下の神々
過去と異世界
傭兵という職業
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 俺も意を決してグランシェについて行くと、グランシェが受付らしき場所に向かっていた。中の空気はまさにゴロツキのたまり場といった感じで、そこら中から酒臭くて汗臭い匂いがした。

 それでも流石はグランシェといったところか、全く怯む様子もなくズンズンと受付へ足を進めていきなり受付嬢に話しかけている。俺も少し遅れて受付でグランシェの隣に立つと、可愛らしい女性が俺達の対応をしてくれた。


「こんにちは、ご依頼ですか? 入会ですか?」

「ビンゴかもな」

 小声でグランシェが耳打ちをしてくる。そして……。

「すまないが、俺達はこの店についてあまりよく知らないんだ、詳しく説明して貰えないだろうか」

 と、受付の女性に聞いた。女性は少し驚いた感じではあったが、初めてのご利用ですねとか言って説明を開始してくれた。
 そういえばグランシェはレミングス達の中に居る時でも小まめに質問をぶつけていたな。もしかしたらこの世の常識・良識に関しては俺より詳しいのかも知れない。
 というかそこまでアクティブに動けるのが羨ましいよ。

 俺は正直、この世界の事もそうだが傭兵の事についてもまったくの素人だ。仕事と報酬のレートも分からん。
 やはり知らない世界にポンと放り出されたときのバイタリティーは、その辺の学者より常に命と身体を張る職業の方が断然高いんだと改めて感じ、少し自分の不甲斐なさにガックリきた。


 しかも受付の人がなにやら専門用語的なのを多用するからもはや何を言ってんのかも分からんし。

 と、言うワケで俺はグランシェにこの世の傭兵のシステムについて噛み砕いて説明してもらう事にした。
「じゃあ説明を始めるぞ」

 グランシェが一通りの話を聞いた後、俺達はその説明を聞くために一旦外へ出ることに。

「まず、ここの傭兵ってのは現代の傭兵とはまた種類が違うらしい」
「現代の傭兵が何かすら分からないからその辺は気にしなくて良いよ」

 そう、俺はホントに何も知らんのだ。現代の傭兵が何なのかも、この世の傭兵がどういう働きをしているのかも。 
 グランシェは俺の答えを聞いてから続ける。

「あぁ、そうだったな。じゃあ話は早い。こちらの傭兵を分かりやすく翻訳すると何でも屋さんって感じだ。それこそ戦場の一兵隊になるも良し、金持ちの家の庭の草刈りをするも有り、荷物の護衛って仕事もあったな」

「ほぉ、それなら危険じゃない仕事を選んでもその日暮らしくらいはなんとかなりそうだな」

「その通り。だからついでに今回はめぼしい仕事も既に見付けてきた」

 久しぶりに見たグランシェのドヤ顔。仕事が速い男は良いねぇ。


「おっ!! 良いじゃん良いじゃん……ってまさか戦闘主体とかじゃないよね?」

「まぁ、
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