暁 〜小説投稿サイト〜
ナカジマ家の起親
第一話
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[9] 最初 [1]後書き
、と聞かれたらどう答えればいい。
 「日本です」これが通じれば幸い、通じなければ「は?」と疑心を向けられる。この世界に行き先などないのだから、どこに行くかを聞かれれば、その時点で色々と問題発生。不審者と思われれば、この世界の警察的な存在に囚われて、ゲームオーバーだってありえる。
 その時の言い訳はどうすればいい?
 「異世界から来ました」か?
 馬鹿げている。そんなもの一体誰が信じるというのだ。
(待てよ。空を飛ぶ人間がいるんだから、俺の常識が通じないんじゃ)
 魔法だか、超能力だかは分からないが、超常現象が人の身で可能な世界なら、「異世界から来ました」の言い訳も、実はこの世界基準では十分にありえることなのではないだろうか。
 SFなんかでよくある話を思い出す。
 地球以外にも知的生命体は実は存在し、地球側からは認知してなくても、彼らはすでに地球のことを知っている。こんな話は意外とありふれている。
 同じように、地球側からすれば、異世界は存在しないが、異世界側からはすでに地球のことを知っているのかもしれない。
 地球にいる時はこんな戯言、妄想は到底信じられるようなものではなかったが、地球の常識を覆す光景を見た後では、あながちありえないことではないと思えてくる。
 そう考えると行動は早かった。
 道行く人たちに目配りをして、ターゲットを決める。
 大人よりも子供の方がいい。子供は素直だ。聞かれたら、素直に答えを返してくれる。
 調度良く、煉夜の目の前を一人の幼い少女が通った。
 背は非常に低く、煉夜の居た日本であれば小学生低学年の背丈の少女だった。
 煉夜は慌てて、その少女に声を掛けようとして──意識が暗転した。
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