第一章 謀略と方向性
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男女の仲を意識した上で肉体関係を結ぶはずが失敗に終わった。
互いに若く、欲求に素直であった。
一度の邪魔でめげるような精神を持ち合わせていない。
不屈の精神の持ち主である高町なのはは再度の密会を求めたのだ。
『今度私達が会うときにはちゃんとしようね』
それを聞いたミウラ・ケイタは喜び、どうにかして長年の友人達の目を欺くことを心に決めたのであった。
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フェイト・テスタロッサ・ハラオウンは長年の友人に疑惑を持った。
――好きな人ができたら教え合おう。
それを破ったのは他ならぬ高町なのはであった。
その約束はまだ互いが幼い頃にしたもので、時効があるのなら既に時効を迎えているのであろう。
それに、彼女も約束を破っていた。
高町なのはの恋人であるミウラ・ケイタが好きなのだ。
それは、出会ってから直ぐの事だった。
彼女と同じで彼は両親がおらず天涯孤独の男の子。
明るくて優しくて初めての異性の友達だった。
執務官試験に落ちた時は一緒に悲しんでくれた。
過去問題や傾向と対策を彼が集めてきてくれた。
それでも、試験には二度落ちた。
二度目の時は慰めてくれた。
『諦めたら終わりだ。だからさ。落ち込んで、一番下まで落ち込んだらあとは上がってくるだけだよ。それに、頑張っているフェイトの事、尊敬してるんだぜ?』
三度目の試験で合格した。嬉しくて嬉しくて、泣いた。
『すげーぜ! よっし。祝いだ! ケーキパーティーだ』
義母のリンディ・ハラオウンと義兄のクロノ・ハラオウンと高町なのは達を集めてくれて、お祝いパーティーをした。
その時、フェイトはミウラ・ケイタを好きだと感じ始めたのであった。
本当の家族がいない彼は祝う事があっても祝われる事がない。
――私が家族になってあげると。
そう、言いたかった。
それが好きの始まりだった。
だが、今の今まで好きと言えなかった事に後悔をした。
「だって、恥ずかしい」
自分から告白するのは。
だから待った。それがいけなかったのだ。
ならば――。
「振り向かせる。それとも、う、奪う?!」
妄想だ。落ち着こうとフェイトは思った。
恋愛経験のない自分ではわからない。
だから聞こう。そして、身近にあった長年の相棒に聞いた。
「バルディッシュ。どうすればいいと思う?」
『既成事実を先に作ってしまえば男というものは責任を取ると判断できます』
長年付き添ったインテリジェントデバイスの判断だ。
恥ずかしいけど、それが正しいはずであると信頼のおけるデバイスに感心した。
「それは、つ、つまり。え、えっちな事をなのはより先にするって事?」
『イエス、マスター』
フェイト・テスタロッサ・ハラオウンの間違いは、機械であ
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