第十九話 イケメンで貴族ってモテるんだろうな
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いうのはあるんだな……。
「貴様! 一体何者だ!」
男の声に周囲も注目し始める。
そのせいで、クィルが怯(おび)えたようにおろおろし始める。
「何者って言われても、オレは今日からここの生徒だけど」
「……貴様が? ……転入生ということか?」
「まあ、そうだな」
「貴様の名前は何だ?」
ふぅ、ホントなら先に名乗れとか言うんだけど、また噛みつかれても面倒だしな。
「オレはトーゴ・アカジ。わけあってクィルの世話になっている」
その告白に周囲がざわめく。
金髪男も眉を寄せて信じられないといった感じだ。
「世話になっている……だと?」
「そうだけど?」
闘悟は何でも無いように言う。
その態度に不信を抱いたのか男は口を開ける。
「それは事実なのでしょうかクィルネス様?」
すると、クィルはビクッとした。
「……はい……です」
姫の肯定にまたも周囲が湧く。
「ということは、貴様はそれなりの身分だということか?」
「いんや、身分で言や、平民だろうな」
「なっ! う、嘘を吐くな! 平民風情(ふぜい)が王族と懇意にしているわけがないだろうが!」
コイツ、ギルバニア王がどんな国王なのか知らないのか?
まあ、恐らくは額縁に入れられて育てられた、正真正銘のお坊ちゃんということかな?
だから、今の国王がどんな性格の持ち主なのか知らない。
ただ単に、王族は最高権力者であり、それに連なる自分達貴族が次に偉いとか思ってるのかもしれない。
「ホントのことだ。オレにはアンタの好きそうな権力なんて一つも持ってないぜ?」
少し挑発してみる。
これでこの先の展開が読み易くなる。
「貴様! 僕を侮辱するのか! たかが平民のくせに!」
おお、おお、思った通りの返答。
こうなったらコイツはオレを目の敵にするだろうな。
まあ、それも面白い。
「貴様! 何を笑っている!」
おっと、ついつい笑ってしまっていたようだ。
それにしても、この世界はテンプレな刺激が満載だな。
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