第5章 契約
第61話 騎士叙勲
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令のトコロに行って、その00583号とか言う人物の事を聞いてみるべきですか」
タバサの代わりに、臨時の相棒となった湖の乙女にそう問い掛ける俺。
その二人の間にも、薄く。しかし確実に霧が世界を包み込み、混乱と恐怖が訳もなく頭の中でざわめきを始め、
何処か遠くで、耳鳴りのような音が鳴り響いていた。
☆★☆★☆
エライ御方は、矢張り高いトコロに居たがるモノなのか、それとも、飛空船乗りだから高いトコロが好きなのか。
ガリア両用艦隊提督。ピエール・シャルル・ジャン・ヴィルヌーヴ提督の姿は現在、空中に存在するガリア両用艦隊旗艦ビュセンタウル号の艦長室の中に存在していた。
しかし、ガリアで、ヴィルヌーヴ提督で、更にビュセンタウル号ですか。
悪い事は言いませんから、別の提督に首を挿げ替えた上に、旗艦も別の船に変える事をお勧めしますね。
もっとも、更迭人事を発動させた瞬間、暴発して、勝手にアルビオンとトリステインの戦争に介入しかねませんか。
何故ならば、このヴィルヌーヴ提督の支配する地は旧教が完全に掌握している地方で、更に、このヴィルヌーヴ提督自身も熱心な旧教支持派。そして、この新教徒に近いトリステイン王家よりは、旧教徒寄りのアルビオンの聖女の方に助力すべき、と公言して憚らない人物で有るらしいですから。
若い案内役の士官が重厚なドアに二度ノックを行い、室内より入室の許可を貰う。
そして、薄暗くて、更に狭い飛空船の廊下からドアひとつ通された先は、魔法の光りに照らされた明るい部屋。しかし、少なくとも華美と言う雰囲気の物ではなく、さりとて、イザベラの執務室のような紙に支配された空間でもない。何と言うか、あまり個性を感じさせない部屋で有りました。
その部屋の中心に据えられたソファーの上座側に座る僧服の青年と、そして、下座側。つまり、ホスト側に座るやや神経質そうな容貌の太った中年男性がヴィルヌーヴ提督と言う事に成りますか。
ヴィルヌーヴ提督が、手にした歩兵をひとつ前に進めた後に、こちらに顔を向ける。
そして、
「久しぶりだな、ルイス」
……と、非常に親しげに話しかけて来た。
態度としては鷹揚。少なくとも、視線や表情から感じるような神経質そうな雰囲気を感じさせる事はなし。
尚、俺としては初顔合わせなのですが、この場に、見習い士官が訪れる理由を、咄嗟にヴィルヌーヴ提督自体が考え出したと言う事なのでしょう。
つまり、この場に居る、この僧服の青年には、俺の正体……。北花壇騎士団所属の騎士だと言う事は知らされてはいない、と言う事だと思います。
「はい、お久しぶりで有ります。ヴィル……。提督!」
俺は、本当の知
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