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蒼き夢の果てに
第5章 契約
第61話 騎士叙勲
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すが、俺はタバサに対しては、約束と言う形で為された負うべき責任は存在しますが、ガリアに対しては存在しては居ません。
 しかし、ここでガリアの騎士への叙任などと言う物を受け入れて仕舞うと、先々、望まない事態。具体的には、国家間の武力紛争に巻き込まれる可能性が出て来るのですが。

 現在、ルイズや才人がトリステインとアルビオンの戦に巻き込まれているように……。
 確かに、今まで俺は多くの生命を奪って来ては居ます。しかし、それは、こちらも生きる為に行った戦い。
 しかし、国家間の戦争と言う物は、両国の大義名分がぶつかる紛争で有って、その争いに、俺やタバサの生命を脅かす部分が存在する可能性は非常に低い。

 そのような戦いに、俺やタバサのような仙人が関わるのは、道に反する行為に繋がる可能性が存在するのですが……。

「筋を通す必要は有る」

 俺の問い掛けに対して返されたイザベラの答えは(にべ)もなく、木で鼻を括ったような答えで有りました。
 そして、

「まして、現在、存在していないオルレアン家によって騎士に任じられたとしても、そんな物は何処にも通用しやしないよ」

 更に続けられる、かなり冷たい言葉。
 もっとも、俺に取っては、ガリアからだろうが、オルレアン家で有ろうが、どちらから与えられる騎士の称号(シュヴァリエ)で有ろうとも、大きな違いはないのですが。

「私の忠誠心は大きな物ではないので、タバサ以外に対しては向けられない可能性が高いですよ。それでも宜しいのですか?」

 ここで、表面だけを取り繕うような言葉を口にしたトコロで意味は有りません。まして、彼女……。イザベラに対して、そんな八方美人のような台詞を口にしてもあっさりと見破られるでしょう。
 そう考え、正直な俺の考えを口にする。
 その俺の言葉に、やや自嘲気味の笑みを見せたイザベラが、

「現在のガリアに、果たして何人の騎士が居るか、判ったものじゃないけどね」

 ……と、独り言を呟くように囁いたのですが。
 もっとも、この言葉に関しては沈黙を守るべきですか。それに、正直に言うと、西洋の騎士道になど魅力は一切、感じていませんから。
 俺自身が。

「それでも構わないさ」

 イザベラの言葉に反応しようとしない俺に対して、疲れたようにそう答えた。
 成るほど。それならば、これ以上ここで、グズグズ言っても仕方がないですか。

 そう考え、イザベラの前に跪き、如意宝珠を起動。
 次の瞬間、俺の右手の中に現れる七星の宝刀。その宝刀を、イザベラの前に捧げる。

 その宝刀を少し微妙な雰囲気……。具体的に言うと、何かを思い出そうとしているかのような、掴めそうな何かを思い出せずに、少しもどかしく感じて居るかのような気を発した後にイザ
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