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蒼き夢の果てに
第5章 契約
第61話 騎士叙勲
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ーネ。これだけの陣容ならば、死すべき定めにない人間ならば、間違いなく助ける事が出来るでしょう。
 そして、ウィンディーネの封じられた青玉を差し出されたタバサの手の平の上に乗せる。

 これで、急に容体の悪くなったオルレアン大公夫人に関しての対策は問題ないでしょう。

「それならば、エレーヌは近衛の厩舎から飛竜を借りて大急ぎで叔母上の所に行って来な」

 イザベラの言葉に、普段通り無言で首肯いて答えるタバサ。

「俺も、仕事を終わらせてから、そっちに向かうから」

 最後に、視線を合わせたタバサに対して、俺がそう告げる。
 一瞬、何か言葉を返そうとして、しかし、瞳のみを揺らせた後に、微かに首肯いて答えてくれるタバサ。

 その瞬間に発せられたのは、普段の凛とした雰囲気の彼女ではなく、年相応の少女の雰囲気。その彼女の僅かに揺らめく瞳を見た瞬間、思わず手を差し出そうとして、しかし、済んでのトコロで、自らの動きを止める俺。
 そう。彼女自らが俺に付いて来る必要なし、と言った以上、その言葉を無視して、俺がのこのこと付いて行ってどうしますか。

「そうしたら、ウィンディーネも頼むな」

 少し、自らの想いを押し止める事に精神的な消耗を要した後、俺は、自らの式神。そして、今回のタバサが実家に帰る際の俺の代役のウィンディーネに対して、少し強い想いを籠めてそう言った。
 そんな俺の頼みに、ハイ、と小さな声で答えてから、彼女にしては珍しく強い調子で首肯くウィンディーネ。
 かなり、気合いは入って居るような雰囲気なのですが、精霊は仕事を与えられる事に喜びを感じるはずですし、元々、水属性のタバサとの相性も悪く有りません。

 タバサ自身が、系統魔法を使用しなくなってからかなりの日数も経ちますし、それに、知らない事とは言え、自らの魔法で、多くの精霊の生命を奪って居た事に対しての謝罪も既に終わって居ます。
 もう、タバサと精霊たちとの蟠りも無くなって居たとしも不思議ではないと思いますね。



 そして、そんな事を考えて居る俺の目の前から、タバサ(一人)ウィンディーネ(一柱)は、イザベラの執務室を後にして行った。
 ほんの少しの焦燥感と、そして、タバサと、ウィンディーネにしては珍しい、少し足早の足音を残して。



 そうして、

「そうしたら、次はあんたの叙任の番かね」

 タバサとウィンディーネを見送った後に、俺の方に向き直ったイザベラがそう言った。
 そして、確かにそれは理には適って居るとは思うのですが……。

 ただ……。

「騎士への叙任に関しては、どうしても必要なのですか?」

 俺は、そうイザベラに対して聞き返した。確かに、俺自身がガリアの騎士に成る能力は有して居ると思います。で
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