第十一話
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な顔をしながらそういった。俊司はなにも言わずに首を縦にふる。悠斗はどこか懐かしそうにしながら話を続けた。
「彼女、軍でも人気者だったからな……残念だ」
「案外割り切れるんですね……悠斗さん」
「同僚の死は何度も見てきた……それゆえの話だよ。で? とうの君はどうなんだい?」
「今は悲しむつもりはありません。彼女に対して失礼ですから」
「そうか……若いのにたいしたもんだよ」
「悠斗さんもまだまだでしょうに」
「ははっ」
二人とも冗談を言いながら笑いあっていた。そうこうしていると、悠斗の背後から一人の女性が姿を現した。
「あ、悠斗さんお茶入りましたよ」
「ああ、ありがとうございます」
「いえいえ。ご無沙汰してます俊司さん」
「お元気そうですね雛さん」
そういうと、雛は笑いながらはいと返事をかえしていた。
「そうだ。俊司君も一緒にどうだい?」
「あー……お気持ちはありがいたいのですが……まだやることがあるんで」
「そうか……じゃあまた今度」
「はい。失礼します」
俊司はそういってその場を離れた。
「俊司さん元気そうでしたね」
「まあ……表面はね」
「えっ?」
「これからどうするかは……あの子しだいかな」
「はあ……」
「さて、行こうか雛さん」
「はい」
二人は少年の後ろ姿を見ながらそんなことを言っていた。
数十分後
俊司は皆に迷惑をかけたこともあってか、それぞれの部屋を訪れていった。各自の反応はさまざまだったが、別に誰も怒っていたわけでもなく、むしろ帰ってくるのが当たり前のような反応ばかりであった。
だが、口ではそんなことを言いながらも本心は違うようで、ところどころでぼろがでていた。そんな気持ちをひしひしと感じながら、俊司は再び覚悟を決めていた。
一通り回った後、俊司は竹林の中で修行をしている少女を訪れていた。
「妖夢」
「あ……俊司さん」
少女は声をかけられると、刀を鞘に戻し笑みを返してきた。
「よっぽど疲れてたんですね……ゆっくり休めましたか?」
「まあな。まだ節々が痛いけど……気にはしてないよ」
「そうですか。ところでなぜここに?」
「んー……ただなんとなくかな」
俊司はそういいながら、近くにあったちょうどいいサイズの岩に腰をかけた。
「なんとなくですか?」
「まあね」
「そうですか……」
妖夢はどことなく不満そうにしていた。
「ところで、普段ここで練習してたのか?」
「はい。いつもなら幽々子様もいらっしゃ
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