第十一話
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ほど、なぞが深まっていくだけだった。
そうこうしていると、徐々に光が二人を包み始める。竹林のすきまから、朝日が見え隠れしていた。
「夜明けか……」
妹紅がそうつぶやいたときだった。
空間がねじれる音がしたかと思うと、二人の目の前にスキマが展開された。
「あれ?スキマが……」
「どうやら……これが原因だったんじゃないか?」
「そうですね」
「あら? 二人ともおきてたの?」
そう言いながら出てきたのは紫だった。
「はい。なんか騒がしかったので」
「あらあらごめんなさいね? みんな興奮してたみだいだし」
「興奮っていったいなにがあって……!?」
妹紅は突然しゃべるのをやめてしまった。それだけじゃない。文までもが言葉を失っているようだった。
そんな二人を見ながら、紫は少し笑っていた。
「ああ、文と妹紅か」
「俊司……さん?」
「おまっ……どうして……脱出してきたのか!?」
「まあ、そんなところかな?」
そんなことを言いながら少年は笑っていた。
二人は何をしゃべっていいかわからずただただ驚いていたが、少年が笑うのを見て自然と笑みがこぼれていた。
「あはは……さすが俊司さんですね。それに……脱出したのは一人だけじゃないみたいで?」
「ああ。俺を含めて5人だな」
「ぷっ……たいしたやつだなお前は」
「そんなことないよ。あーあ疲れた……ちょっと寝てきます」
「ええ。いってらっしゃい」
「あとでなにがあったか教えてくださいね!」
「ああ」
俊司は振り返らずに手を振ると、そのまま自室へと向かっていった。
「なるほど……これはしかたないですね」
「だな」
そんな少年を見ながら、二人は安堵の表情を浮かべていた。
数時間後
仮眠を取る感覚で眠りについた俊司だったが、よほど疲れていたのか熟睡していた。
当然、目を覚ましたら時刻はすでに昼過ぎとなっていた。
「……疲れてたのか……まあ、しかたないか」
そんなことをいいながら軽く身支度をすると、自室から出る俊司。すると、タイミングよく誰かが俊司のそばに近寄ってきた。
「やあ、お帰り俊司君」
「あ、悠斗さん。お久しぶりです」
声をかけてきたのは悠斗だった。彼は俊司の顔をまじまじと見ると、少し安心したのか軽い笑みを浮かべていた。
「さすが、熟睡してただけあって疲れの色なしだね」
「あはは……」
「……聞いたよ。由莉香ちゃん……なくなったんだって?」
悠斗は少しさびしそう
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