やはり雪ノ下 雪乃は怒っている。
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いれてくる。
「凄いかっこいい声で言ってるが、言ってる内容は唯の友達いないぼっちだからな」
「………一瞬、かっこいいことを言ったのかと勘違いしたわ」
頭痛でもするかのように雪ノ下はこめかみの辺りにそっと手を添える。
「仮の話として、答えてくれればいいわ」
『もちろん殺すよ?』
我ながら見事なまでの即答だった。
俺が本気だせば靴箱に呪いの手紙を入れるとか、上履きに画鋲いれたり呪いの儀式をやるなんて余裕でできるよ?……マジで…
「さすが春夏、清々しいまでの即答だな」
「ほら、排除しようとするじゃない?理性のない獣と同じ、いえそれこそ禽獣にも劣る……。私がいた学校もそういう人達が多くいたわ。そういった行為でしか自身の存在意義を確かめられない哀れな人達だったのでしょうけど」
雪ノ下はハンッと鼻で笑った。
きっと雪ノ下は常に周囲の人間の中心にいて、だからこそ四方八方敵だらけだったのだろう。そんな存在がどんな目に遭うかなんて十年学校に通いその人間の周囲にすら入れなかった俺でも分かる。
「小学校の頃、六十回ほど上履きを隠された事があるのだけど、うち五十回は同級生の女子にやられたわ」
『その女子やることが陰湿だろ…』
「後の十回は?」
「男子が隠したのが三回。教師が買い取ったのが二回。犬に隠されたのが五回よ」
「犬率たけぇよ?」
『いや比企谷、つっこむ所そこじゃないだろ…なんだよ教師が買い取ったって。そんな変態が教師やっててもいいのかよ?』
それは想像を超えていた。
「おかげで私は毎日上履きを持って帰ったし、リコーダーも持って帰るはめになったわ」
うんざりした顔で語る雪ノ下に不覚にも同情してしまった。
『大変だったんだな』
「えぇ、大変よ。私可愛いから」
そう自嘲気味に笑う雪ノ下を見ると今度はさほどイラっとしなかった。
「でも、それも仕方がないと思うわ。人はみな完璧ではないから。弱くて、心が醜くて、すぐに嫉妬し蹴落とそうとする。不思議なことに優れた人間ほど生きづらいのよ、この世界は。そんなのおかしいじゃない。だから変えるのよ、人ごと、世界を」
ドライアイスのような目で語る雪ノ下はきっと本気なんだろう。
「努力の方向性があさってにぶっ飛びすぎだろ…」
『比企谷、こいつあれだぜ、世界を変えるためなら笑顔で核ミサイルぶっ放すぐらいのぶっ飛び加減だぜ?』
「……それシャレにならないだろ」
「そうかしら?それでも貴方達のようにぐだぐだ乾いて果てるより随分とマシだと思うけれど。貴方達の……そうやって弱さを肯定してしまう部分、嫌いだわ」
そう言って雪ノ下はふいっと窓の外に目をやった。
きっと雪ノ下は持つ者ゆ
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