やはり雪ノ下 雪乃は怒っている。
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心配がなくなったのか、平塚先生はようやく解放してくれた。それでも去り際にちらちらと視線を送ってくる、別れがたいとか名残おしいとかではなく「逃げたらわかってんだろうな、あァン」という殺意だけがビシビシと伝わってくる。
「はぁ。……」
比企谷が溜め息を吐きながら扉を開けようと手を掛けるが、しかしどうにも気が重いのかなかなから開かない。
『いちいち気にすんなよ比企谷。俺なんか昨日、殺人鬼のような目で叩き潰してあげるっていわれたんだぜ?』
「………それ笑顔で話す前に警察行ったほうがいいだろ…」
っと俺の言葉を聞き、すかさずツッコミをいれてくる。やがて決心がついたのか比企谷はこの世の終わりのような顔でガラガラーと扉を開き何故か会釈しながら入室する。
……なに会釈なんかしてんだアイツ?
つーかどうしよう。俺昨日、雪ノ下に死刑宣告じみた事いわれたんだった。すげぇ顔合わせづらいんだけど……帰ろうかな……でも今帰ったら雪ノ下に恐れをなして逃げたみたいだよな…ヨシッ昨日の事は忘れました。って感じでさりげなく行くか!
え?勝負?なにそれオイシイノ?
俺はさりげなく入室する事にした。
『こんちわー』
俺と比企谷が入室すると雪ノ下は昨日とまったく同じ場所で静かにまた本を読んでいた。
俺達に気づいたのか一瞬チラッと此方に視線を向けるが何も言わずにまた読者を開始する。
「この距離でシカトかよ…」
『…本当に性格悪いなアイツ……』
俺達の呟きが聞こえたのか雪ノ下は苛立たしそうに本をパタンッと閉じ、俺達に氷の様な視線を向けてくる。
「あら、居たの?ごめんなさい。貴方達の余りの存在感の無さに私とした事が貴方達がいる事に気づかなかったわ」
「……コンニチハ」
『……お前、第一声から暴言とか酷くないか?なんなの俺達がお前に何かしたの?』
第一声から暴言だった。余りに自然に毒を吐くものだから思わず軽く泣きたくなってくる。
「えっ?貴方誰かしら?きやすく話しかけないで」
『おい、その素で俺の事が分からないフリやめろ?わりと本気で傷つくから』
嫌みに耐えかねて、表情を歪めると雪ノ下はニッコリと微笑んだ。
「こんにちは。もう来ないのかと思ったわ」
『俺も来るつもりはなかったんだが、いろいろと事情があったからな』
「べ、別にっ!逃げたら負けだから来ただけだよっ!か、勘違いするなよなっ?」
だから男のお前がツンデレしても気持ち悪いだけだから、全然萌えないから。
「あれだけこっぴどく言われたら普通は二度と来ないと思うんだけど……マゾヒスト?」
「ちげぇよ……」
『お前、酷い事言ったっていう自覚があるのな』
「安心していいわ春夏君。あそこ
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