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シャンヴリルの黒猫
39話「クオリ・メルポメネ・テルプシコラ (3)」
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うとう最初の1冊――あの航海日誌でした――を読み解くことができたのは、わたしが秘密の階に通い始めて半年後のことでした。実は、家に持ち帰って解読していたのです。探知系の魔法がかかっていないと判断してのことですから、安心して。

「今なら有り得ない大胆さというか……怖いもの知らずでしたね。あの頃は…」

 苦い笑みと共に漏らした言葉は、僅かな後悔を含んでいた。

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