第二十七話『偽る者優しき者』
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しなかったの?」
「憶測で物を言うのは嫌いでな」
「ふふっ……スウェンらしいや」
「デュノアが何故男装をしてまでこの学園に入ったのか……それは男である俺や一夏と接触しやすかった“男”である必要があった」
「……」
「そして、お前の目的は……俺のストライクだろう?」
シャルルはその言葉に驚いた表情を見せるが、直ぐに苦笑へかわり
「何でもお見通しかぁ……やっぱりスウェンは凄い」
スウェンは腕を組み
「デュノア社については色々調べた。現在デュノア社はドイツのとある科学者と共同している。フランスはその科学者の作成したシステムを再現しようとしたが、技術力がドイツよりも圧倒的に劣っていたため、システムの再現に難航。そこでオリジナルのシステム……ストライカーシステムを搭載しているストライクのデータを収集するのが目的……違うか?」
「……うん、そうだよ。僕はストライクのデータを収集するために、父に男装することを命じられて今こうしてここにいる。因みにね僕のISの“ラファール・リヴァイルカスタムU”はデュノア社がなんとか作り上げた試作版のストライカーシステムを搭載しているんだ。模造品って言われても仕方ないよね」
天井を見上げ、シャルルは軽いため息をしたあとスウェンの方を向き
「もう……ここまでかな。スウェンにはバレちゃってたみたいだし、きっと僕は本国へ呼び戻されるだろうね。父の会社も今のままにはいかないだろうけど、僕には関係ないかな」
「………」
スウェンは黙ったまま、シャルルの言葉に耳を傾ける。
「なんか話したら楽になったよ。最後まで聞いてくれてありがとう。それと……ごめんね、今まで嘘ついて」
「……俺は幼いときテロで両親を失った」
「え?」
突然の言葉にシャルルは口を閉ざす。スウェンは俯いたまま
「それから俺は施設に入れられ、親の温もりをまともに受けずに育った。親の声がどうだったのかも覚えていない、親の性格がどのようだったのかも覚えていない。辛うじて覚えているのは顔くらいだ」
「スウェン……」
「そんな俺でも……」
スウェンは一息置き
「親というのはどの様であるべきかは分かる。親というのは子を思い、共に歩んでいくものだ。子の自由を奪って良い権利等……夢を奪って良い権利等……どこにも存在しない」
「それでも僕に権利なんて……」
「ならお前は良いのか?このまま本国へ戻されても」
「良いわけがない!!」
ベッドから立ち上がり、叫ぶシャルル。
「一夏達とも仲良くなってきたのに……ようやく……スウェンが自分のことを話してくれるようになったのに……本国に戻るなん
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