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トーゴの異世界無双
第十七話 この世界は退屈しねえ
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レと一緒にいたけど学園になんか行ってたっけ?」
「今は試験休みなのです」
「あ、そうなんだ」


 この世界にも試験休みなんてあるんだな。


「試験て、もしかしてやっぱ魔法の?」
「もちろんなのです。魔法の実技と学科がありますです」


 クィルが言うには、学科は地球式のペーパーテストと同じだ。
 もちろん内容は全然違うが。
 実技に関しては、試験ランクというものがあるらしい。
 普段の成績に従い、個人個人で試験内容が異なる。
 中にはモンスター討伐なんていう試験もあるらしい。
 だが、モンスター討伐の場合、ほとんどがチームを組んで望むとのことだ。
 クィルの場合、今回は魔法薬の作成だったらしい。
 本人曰く上手く作成できたらしいが、評価は休み明けに発表される。


「クィルって頭いいんだな。魔法薬なんて作れるなんて凄いじゃんか」


 闘悟が褒めると、クィルは頬を染めてモジモジしだす。


「そ、そんな……手順さえ守れば誰にだって作れますです」
「それが凄いんだって」
「え?」
「しっかり基本を守って望みのものを作るってことって案外難しいんだぞ? 試験なんだから本とか見ながらじゃ駄目なんだろ?」
「あ、はいです」
「手順がしっかり頭に入っていなきゃ上手くは作れないって。だから、クィルは大したもんだよ」
「……ぁ……う……」


 絶賛の声を上げる闘悟から顔を背ける。


(うぅ……褒められたですぅ……)


 嬉しさに胸が一杯になる。
 だが、そんなクィルの様子に気づかず、闘悟は別のことを考えていた。
 魔法学園か……オレの知らないことが一杯ありそうだよな。
 正直に言ってこの世界に来てから退屈とは無関係だった。
 見るもの聞くもの全てが新鮮で、闘悟の知識欲を大いに刺激をした。
 そして、特に興味を引かれたのはやはり魔法だった。
 この世界は本当に興味深いと感じていた。
 その時、扉からノックの音が聞こえた。
 入って来たのはクィルの専属メイドであるカニルという十五歳の少女だった。
 薄い水色のショートカットであり、あまり感情を表に出さない女の子だ。
 幼い顔立ちだが、間違いなく美少女の枠に入っている。
 クィルもそうだが、この宮殿内にいる女性のスペックが異常に高い。
 美人、美少女がほとんどだ。
 あのギルバニア王がわざと集めているのかと思うほどだった。


「どうしたのですカニル?」
「はい、国王様がお呼びです」


 聞くところによると、ギルバニアが闘悟とクィルを呼んでいるらしい。


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