第十六話 みんなよろしくっ!
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「しょ、処刑……? お、お父様……?」
クィルが不安そうにギルバニアの顔を見る。
「……もしそうだったらどうする?」
ギルバニアが真剣な表情で聞いてくる。
「お父様っ!?」
クィルがそう叫ぶが、すぐに闘悟は口を出す。
「逃げるに決まってます。まだ死にたくはありませんので」
クィルが悲しそうな表情を作る。
だが、ギルバニアとベアンは眉を寄せる。
「この国を……滅ぼさないのか?」
「へ? 何でそんなことしなきゃいけないんですか?」
国を滅ぼす?
どんだけ悪党なんだよオレ?
そんなことまともな神経でできるかっての!
「いや、仮にもお前を処刑しようとする国だぞ?」
「だから逃げればいいじゃないですか。この国にオレの逃亡を阻止できる者がいるとは思えないですし」
多分逃げようと思えば、一瞬でこの場から消え去ることができる。
「逃げるより、国を滅ぼした方が安全だろ? その方が今後も追われることは無いと思うが?」
む? ちょっとしつこくねえ?
「だから、追われても大丈夫ですって。適当に追っ払いますから。そもそも、全力のオレと戦って勝てると思いますか?」
確かにオレが本気で国を滅ぼそうと思えば、数秒も掛からない。
文字通り一瞬で塵(ちり)にできる。
そして、しばらく沈黙が流れる。
闘悟はギルバニアの言葉を待っている。
クィルはハラハラしながら、闘悟とギルバニアを交互に見る。
ベアンは表情こそ変わらず感情を表には出してはいないが、内心はやはり穏やかではなかった。
ギルバニアの出す答えによっては、今から兵を徴収しなければならないからだ。
ミラニも額から汗を垂らし警戒している。
「あはははははは!」
いきなりギルバニアが笑い出した。
オレも含めて皆が王に注目する。
場違いなほどの明るい声に、ギルバニアが乱心したと思った者もいた。
「おっもしれえ! お前相当に面白えぞ!」
「はあ」
そんな面白いことを言った覚えは無いんだけどな。
ひとしきり笑ったギルバニアは、ニカッと笑う。
「よし! トーゴ、お前これからどうするつもりなんだ?」
「これからですか? 特に何も決めて無いですね」
まあ、この世界で特にやることも無いし。
来たばっかで目標なんかまだ無いしな。
とりあえずは、住むところと仕事を何とかするのが、切実な問題だ。
「そんじゃよ、お前、うちの国民にならないか?」
すると、呆れ顔になるベアンをよそに、クィルは先程度違い、嬉しそうに微笑む。
「それはとても
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