第四十六話
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―と、言った具合でだ。
「パパ〜!」
件のユイという少女が、アスナと共に廊下を小走りで走ってきてリビングに入り、キリトに体当たりをかました。
キリトの筋力値にはその程度の攻撃は通用せず、ユイをそのまま抱きかかえるその姿を見ると、キリトとアスナとユイという少女の三人家族のように見えなくもない。
「アスナ。話はキリトから聞いた。システムメニューを見せてくれ」
「うん。……ユイちゃん、ちょっとさっきみたいに左手を振ってくれるかな?」
「わかった!」
システムメニューを開くのは通常右手のはずだったが、元気よくアスナに応えたユイという少女は左手を振ってシステムメニューを呼びだした。
それだけでも驚いたものだが、可視モードにしてもらったシステムメニューを見せてもらうと、それ以上の驚愕が俺を待っていた。
「……何だ、これは……?」
俺のシステムメニューも他人とは違うことになっているものの、ユイという少女のシステムメニューはそんなものではなかった。
《MHCP−001》という謎の記号のような名前しかなく、それ以外にはオプションしかないというシステムメニューは、俺の理解の範疇を越えていた。
「おにぃちゃん、なまえは?」
システムメニューを見て考え込んでいると、そのユイという少女から声をかけられていた。
「……ショウキ、だ」
ユイという少女に自身の名前を告げて顔を背けると共に、俺には解らないという意志を示すためにシステムメニューをアスナの方へと返した。
「これも悪いけど、俺のまだ軽微なバグとは桁違いだ。全く解らない」
「それは残念だけど……もしかしてショウキくん、小さい子の相手とか苦手なの?」
血盟騎士団副団長《閃光》アスナとして鍛えられたのだろう洞察力が、端的に俺が今苦手にしていて困っていることを言い当てる。
さっきから極力ユイという少女に話しかけていないことも、アスナの言う通り小さい子供の相手が苦手だからである。
「へぇぇぇ……なんだか意外。ショウキくん明るいから、そういうの得意そうだったけど」
「ほほう……」
無駄に素晴らしい洞察力を発揮したアスナに、良いネタを見つけたとばかりに嫌らしく笑うキリトたち夫妻に、厄介事に巻き込まれるという嫌な予感が的中したのだと実感する。
「ユイ。このお兄ちゃんは凄く良い人だから、遊んでくれるらしいぞ」
「わーい!」
キリトのキラーパスにより、ユイという少女が喜んでこちらに走り寄って来た。
前述の通り子供の相手が苦手な俺には、それをどうしたら良いか解らずに固まってしまい、ユイという少女の体当たりを甘んじて受けることとなった。
「…………!」
視線でアスナに助けを求めるものの、夫妻
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