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八条学園怪異譚
第二十五話 飛ぶ魚その十六
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 日下部はその二人にこう言った。
「より幻想的な風景に出来るぞ」
「今よりもですか?」
「っていいますと」
「光もある」
 これもだというのだ。
「赤や青、それに白のな」
「人魂さんですか?」
 愛実は日下部の話を聞いてすぐに察した。
「あの人達はここにも」
「人魂達は何処にでもいる」
 所謂霊魂はだというのだ。
「呼ばないでもいる」
「あっ、本当ですね」
 聖花は自分の少し右斜め上を見た、そこにもう青い人魂が魚達に混ざってふわふわと飛んでいる、それを見てわかったことだった。
「いますね」
「そういうことだ。それに人魂は色を自由に変えられる」
 このことも言う日下部だった。
「だから赤だったり青だったりするのだ」
「大体あれですよね」
 愛実は日下部の説明に付け加えた。
「ぼんやりとした感じの色ですね」
「それも変えられる」
「明るい感じにもですか」
「そうだ、では光もいるか」
「お願いします」
 愛実はすぐに答えた。
「それじゃあ」
「私も」
 聖花も愛実に尋ねる。
「何かここで光も加わると凄そうですね」
「だからだ。いいな」
「わかった、ではな」
 日下部が応えてそうしてだった。
 日下部は周囲を見回してそして何時の間にか何十も漂っている人魂達に対して言ったのだった。
「じゃあ頼めるか」
「うん、いいよ」
「それじゃあね」
 人魂達は明るい声で応えてきた。彼等もしゃべることが出来たのだ。
「早速ね」
「はじめようか」
 人魂達は明るい、それぞれ様々な色の光を放ちはじめた。そのうえで魚達が飛ぶ水族館、本来は暗い場所の中を照らしだした。
 透き通った魚の霊達もその光に照らされている、それを見てだった。
 二人は目を輝かせてそして言ったのである。
「うわ、凄いわね」
「そうよね」
 二人で話す。
「この学校に来て色々なもの見てきたけれど」
「今回は特にね」
「この世には色々なものがあるのじゃよ」
 海和尚のその光に照らされている魚達を見ながら話す。
「こうしてな」
「ううん、そうですね」
「幻想的ですよね」
「暫く楽しんでいくか」
「そうさせてくれます?」
「こんな風景他にないですから」
「よいぞよいぞ」
 海和尚は笑って応じた、そしてだった。
 二人は光に照らされている魚達を心ゆくまで見てからそのうえでそれぞれの家に帰った、そのうえでだ。
 愛実は次の日部活でかるたをしながら聖花に言った。
「ねえ、またね」
「水族館によね」
「お昼もいいわよね」
 水族館がすっかりお気に入りになってそれで言ったのである。
「その時でもね」
「愛実ちゃんってお魚好きだったの?」
「好きになったの」 
 昨夜のそれでだというのだ。
「凄く綺麗
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