TURN66 過労その四
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そのレーティアは今日も寝ずに仕事をしていた。そしてだった。
その彼女を見て部下達が言ったのである。
「あの、本当に少しはです」
「お休みになられては」
「今日も殆ど寝ておられませんよね」
「少しお昼寝をされては」
「そうした暇はない」
戦局の報告書に目をやりながらの返答だ。
「勝利を収めるまではな」
「ですがソビエトとの戦いはまだ続きます」
「モスクワ攻略までは」
それで終わらないにしても一段落つくのはその時点までなかった。だから彼等も今は少しはというのである。
「ほんの少しでもです」
「お休みになられるべきかと」
「エネルギーは補給している」
だがやはりこう返すレーティアだった。
「安心していい」
「そうですか」
「それでは」
「モスクワ戦の後は少し寝られる筈だ」
つまりそれまではだというのだ。
「その時まではな」
こう言って激務を続ける日々だった。レーティアは明らかに無理をしていたがそれを言葉に出すことはなかった。そのまま仕事を続けていた。
戦局はドクツに一方的に進んでいた、ラトビア等でもだ。
ラトビアは圧倒的なドクツ軍の攻撃に青い顔で呟いた。
「こんなに強いととても」
「ここでも無理だよ」
リトアニアは自分の星域から撤退して今はラトビアにいる、だがそこでもドクツ軍の猛攻を見て言うのだ。
「これじゃあね」
「じゃあ撤退ですか?」
「それしかないね。幸い撤退は許可されてるし」
レニングラードまでは許されているのだ。
「そうしようか」
「そうですね。けれどドクツ軍がこんなに強いなんて」
「想像以上だよ」
「このままだと」
ラトビアは為す術もなく倒されていく自軍、次々と一方的にビームを受けて沈んでいく赤い艦隊を見ながら言った。
「そのレニングラードも」
「ちょっと、それは言ったら駄目だよ」
リトアニアはラトビアの失言は止めた。
「そんなのカテーリンさんかロシアさんに聞かれたら」
「あっ、そうですね」
ラトビアも慌てて己の口を自分の両手で塞ぐ。
「またお仕置きですね」
「御飯抜かれるよ」
具体的にはそうなる。
「若しくは立たされるとか」
「ですね。じゃあ」
「エストニアまで撤退しよう」
既に軍は壊滅状態だ、そうするしかなかった。
ラトビアのソビエト軍は壊走状態でエストニアまで撤退した。北方戦線もこんな有様だった。
カテーリングラードもだ。この星域を真っ先に占領したのは彼等だった。
「隊長やりましたね」
「ああ、皆よくやってくれたよ」
ヒムラーは軽い笑みで親衛隊の面々に話していた。
「カテーリングラードも染料できたね」
「はい、これで」
「さて、今度はカフカスだよ」
「カフカスの次はどうなるのですか?」
傍
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