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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-18老人と若者
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べて、見つめる老人。

(わたしは、商売のことは、わからない。だから、わからないのかな。このおじいさんは、わかる、のかな。でも、一番なんて。やっぱり、ないんじゃ、ないかな)

 考える少女。
 笑いを(おさ)め、表情を変える老人。

「むむっ!天晴(あっぱ)れ!何も言わない……。つまり、沈黙は(きん)なりじゃ!」
「???」

(お客さんに、なにも言わなかったら。商売は、できないんじゃ、ないの?)

「よし。其方(そなた)に、(たから)()()(つか)わそう。若い頃に手に入れたが、(つい)(しる)された秘密を解き明かすことが出来なかった……。受け取るが良い!」
「……ありがとう?」

 混乱しながらも、差し出された地図を、受け取る少女。

其方(そなた)なら、その地図の秘密を、解き明かすことが出来るかも知れぬな。頑張るのじゃぞ!」
「……ありがとう」

 首を(ひね)りながら、仲間の元に戻る。

「すごいですね、ユウさん!」
「……よく。わからない。どういう、こと?」
「……さあ?」
「沈黙は金なりというのは、いつも黙っていれば良いということではなくて。黙るべきときを知ることが、大事だということです。(ゆう)(べん)は銀、沈黙は金とも言いますね」
「……そう。一番なんて、決められないものね。そういう、ことなのね。」
「なるほど!そういうことですか!さすが、ヒルタン老人!深いです!」
「そうか?いちいち、間違った方向に引っ掛けようとしやがってよ。面倒くせえだけじゃねえか」
「宝の地図ね。伝説の武器と、関係あるかしら。ヒルタンさんに聞いても、そこはわからないわねえ。この地図以外のお話を、少し聞いていこうかしら。」
「ぼくも、お話を聞いていきたいです!」
「オレは、パスだな。宿に戻ってるわ」
「僕も、いいかな。おふたりに、お任せします」
「わたしも、よくわからなそうだから。宿に、戻るね」

 老人と話し始めるトルネコとホフマンを置いて、三人は宿に戻る。


 宿に戻った三人は、疲れた様子で休憩所に座る、老婆(ろうば)に目を()める。

「なんだ?辛気(しんき)くせえな」
「悩み事でも、あるのかな」

 少女が、声をかける。

「おばあさん。どうしたの?」

 老婆が、顔を上げる。

「おお、お嬢ちゃん。……なんでも、ないのじゃよ」

 マーニャが口を挟む。

「なんでもねえってこたねえだろ。何度も()め息()いといてよ」

 ミネアも口を添える。

「なにか、力になれることがあるかもしれませんし。話すだけでも、楽になれることもありますよ」

 どこか(うつ)ろだった老婆の視線が、続けて声をかけられる
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