35*昔の話
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あ、ああ、大丈夫だ。おまえを捨てない、ずっと一緒にいような」
「……うん」
リリスはそう言うと、本格的にびーびー泣いてしまった。
見るとキースも同じようで、後からきいたらあっちも俺と同じく、なんかいい方向へと話が転がったようだった。
とりあえずリリスを抱き上げ、やじ馬を蹴散らしながら部屋へと戻る。
さすがに今こいつらと別れる訳には行かないので俺とキースはそれぞれ別れて部屋へと入り、リリスを寝所へとおろした。
すると彼女は手をきつく握ってきたので俺は
「ごめんな。そんなに辛かったか……大丈夫、疲れてるみたいだし、一緒にいてあげるからゆっくり寝なさい」
そう言ってリリスの頭を優しく撫でてあげると、彼女はゆっくりと眠りに落ちていった。
*************‰☆
その後の話をしよう。
次の日俺はリリスの泣き声で目を覚まし、約束した直後だが腕にしがみ付いているリリスを大目に見つつ、同じような情況のキース達と合流して飯を食いに行ったのだ。
すると食堂へ着いた途端
「ちょっとあんた達!」
食堂のおばちゃんに呼び止められて
「ふざけてんじゃないよ!!」
ガゴンッ!!
ベギャッ!!
頭を鍋で殴られた。
しかもこのおばちゃん、種族が王鬼(オーガ)だからめちゃくちゃ力があってとてつもなく痛い。
「この娘達はね、あんた達がいなくなった後必死で街中を走り回ってあんた達を捜してたんだよ!こんなかわいい娘を泣かせて……男として恥ずかしいと思わないのかい!!」
「クロノさん、キースを責めないで!わがままだった私が悪いの」
「ガルクも、私がきちんといい子になったら許してくれるって……」
「レイラちゃんにリリスちゃん……なんていい子なんだい!私もこんな娘が欲しかったよ!!」
「クロノさん、苦しいです……でもこうやって抱かれてるとお母さんみたい」
「心配してくれてありがとうございます、私達、幸せになります」
「つっ〜〜〜!!いいかいあんた達!次にこの娘達を泣かせたらただじゃおかないからね!こんないい子そうそういないんだから、大事にさなさいよ!!」
「「は、はい」」
ちなみにこのやり取りの間中、俺とキースはずっと頭を抱えていた。
そしてその後
「……おい、リリスちゃんとレイラちゃんを今度泣かしたら俺がおまえらを殺すからな」
「お、見つかったのかい。もう離すんじゃないよ。そしておまえら、次はないぞ……」
「あらあなたたち、やっと見つけたのね。じゃあこれあげるわ、お祝いよ。……あなたたちには、はい、腐ってるけど、これで充分でしょ?」
「やあ!リリスちゃんにレイラちゃん!この首輪なんか買わないか
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