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なりたくないけどチートな勇者
35*昔の話
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ている時に全身舐められたり!!前の村でだって突然……」

「そうだ、あんな公衆の面前でいきなり口移しで物を食わせたりされるのは、いくらなんでもやり過ぎだ。だから、早急になんとかしなければならない」

「なんとかしなければって……どうするよ?」

「それをおまえと話し合いたいんだが……」

「無理だな、俺らで何とかできるんならとっくにやってる」

そんなキースの発言により、なんとも気まずい沈黙が部屋に充満してしまった。

それを言うな、キースよ。

「………寝るか」

「ああ、もう忘れよう」

………いや、現実逃避とか言わないでくれ。

大丈夫だ、次の日に話は急展開する。


************}☆


「んぁ?魔物退治?」

「はい、この街から北にある森に巣くう魔物を、討伐していただきたい。あいつがいるおかげで特産品のムリヌが取りに行けないのです」

俺達が不毛な話し合いをした次の日の昼。
飯を食ってた俺とキースの所へ街役場の職員がやってきて、依頼を持ち掛けてきた。

ちなみにリリスとレイラはその時、新しい服を買うために街へと飛び出ていった。
なんでも、今晩のお楽しみだからついてくるなとの事だ。

まぁ、いつもの事だから慣れたがな。

と、そんな事より依頼についてだ。

「なぜ、俺達なのですか?他にも冒険者はいるでしょうに」

とりあえず探りを入れておく。
なにせキースはこれでも王子なのだ。

どこで罠を張られて命を狙われるのか、わかったもんじゃない。

だがそんな俺の警戒の視線をもろともせず、その職員はさも当然のように

「あなた達を選んだ理由は。あなた達が、強い上に正義感溢れるすばらしい冒険者だって三日前くらいから噂になっているからです」

予想の遥か後方を狙う答えが来た。
意味がわからない。

「ちょまっ!どういう事だ!?なんで三日前から!?つかどこ情報!?」

さすがのキース(馬鹿)もこの訳のわからない信頼に対してかなり混乱している様子である。
もちろん俺もかなり混乱して、訳わかんなくなっていた。

そんな俺達に対して職員は不思議そうに

「あれ?たしか大剣と大槌を持った男達が、最愛の妻を護りながら、後から街道を通る者達へ被害が出ないように凶暴な魔物や獣達を時間をかけて駆逐しながらこの街へ来るらしいって……おかげで魔物被害が大幅に減って感謝してたのですが……間違いでした?大槌なんか使ってる方があなた以外見受けられなくててっきり……」

これで繋がったよ。
とんだ誤解だが。

「いえ、多分それは俺達ですが……」

「ですよね!やっぱりそうですよね!あぁよかった!これでやっとムリヌを収穫できますよ!!ありがとうござ
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