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なりたくないけどチートな勇者
34*お姫様の苦悩
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うな、それでいて私だけを必要としてくれて愛してくれているという事実が私をより一層喜ばせてくれるの」

まぁ……母様である。

母様って……変態だったんだ……

「そ、そうですか……」

ミミリィよ、口の端が痙攣してるぞ。
言葉が通じないのは最初からわかっていた事ではないか。

「ああ、ダメだわ……今日はもう我慢できない……私はもう帰るわ。はやくガルクに会わないと……これ以上は身体が持たない」

そう言ってそそくさと帰るリリスさん。

……ガルクさん、強く生きて下さい。

「私も、戻るわね……悪いけど片付けをお願い。私ももう、これ以上は……」

すると母様も窓から飛び出し、自慢の白い翼を羽ばたかせて上へと……

『おわっ!なんだいきなっこらっ!!やめっ!』

『あなた!……ハァハァ……今日は寝かさないわよ!!さぁ!私をいたぶって!!』

『何がだ!!だからやめっ!ちょギャァァァァァ!!』

とりあえず、ミミリィが無言で窓を閉め、音を遮断してくれた。

………なんだろう、父様がいたぶられてる気がするのは気のせいだろうか。
そしてガルクさんも似たような状況になるんだろうなぁ……

父様が歳の割に老けて見える理由って、母様かもしれないな。

……今度、父様が喜びそうな物を贈ってあげよう。

「姫様、私も……その…先生にあいに……一緒に寝たくて…」

「……そんなあからさまに言うな」

失礼します、とシルバは走って部屋を出て行った。

残ったのは私とミミリィだけである。

しばらくの沈黙の後、私達はまるで打ち合わせをしたかのように

「「つ、疲れた……」」

息をピッタリと、同じ言葉を同じようにうなだれながら呟いたのである。

「……ミミリィ、どう思う?」

「……とりあえず、先生が今まで感じてきた苦労の一端はわかった気がします」

「だな……これからはもっと優しく接してやるか」

何たって、誰も話を聞いてくれずに周りが勝手に話を進めるのだ。
自分の話ではないのにこんなに疲れるのだ、これが自分の事となるとその疲労は計り知れない。

しかも私は最初から諦めていた節があるが、いつもなんだかんだと意見をいいつつ無視されるナルミにしたら、いつ過労で死ぬかわかったものではない。
しかも相手が好意をもって接してくるから文句も言いずらい。

……私も話をあんまり聞かずに今までいたが、これからはきちんと聞いてあげよ。

「……とりあえず、姫様は一度怒られてるんですから気をつけて下さいね。姫様だけでも」

「……ああ、気をつける。だが……私が言うのもなんだが、誰かがシルバを止めてやらねばナルミはいつか死ぬぞ」

「……私達が魔王様達のやったあれを教えて
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