34*お姫様の苦悩
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声で、彼を起こしてしまったのよね。そしてその時の笑顔を見て、私は再び幸せが戻って来たという事を実感したわ……」
そういうと、母様達はふぅ、と息を吐き、少しの間の後に息を揃えて
「「これが、私達の体験した5日間の地獄の全てよ。こうなりたくなければ、今からでも節度をわきまえ、きちんと考えて行動しなさい」」
「……そうすれば……お母様みたいに嫌われたりしないで幸せに過ごせますか?」
「「ええ、間違いなく」」
「……わかり、ました」
………
……………これって、さ。
「母様、リリスさん」
「なに?」
「エリザも悩みがあるの?」
「違います。ただ……お二方の体験した事は、全く同じだったりします?」
「「ええ、そうよ」」
………やっぱり。
私は自分の考えに確信を持つと、ミミリィが小声で
「姫様、もしかしていまの話って……」
それに私も小声でかえす。
「ああ、間違いない」
この話しは確実に
「母様とリリスさんは、父様とガルクさんに嵌められたのだ」
「ですよね……」
多分、父様とガルクさんは互いに協力しあい、同時に行動を起こして母様達それぞれに自分の事で手一杯にさせる事で冷静な判断力を無くさせ、完全に弱りきったところで要求を突き付け、それを飲ませたのだ。
見方によれば外道だが、今までの会話やナルミの状況から致し方ないといわざるをえない。
……ん?
まさか……
「母様、母様の場合の“節度をわきまえる”って、もしや……」
「誰が見ても尊敬される魔王様に寄り添い支える、強い王妃を演じる事よ。本当は縋り付く事しか出来ない弱い女なのにね」
そう母様は言うと、いたずらっぽくクスクスッと笑った。
……節度をわきまえなければ所構わず纏わり付き、節度をわきまえればその剛腕で殴り飛ばす。
どっちにしろ父様に逃げ場はなかったのか。
てゆーかこれなら強いの意味が違いますよ。
腕力ではなく、心が強いと言われるようにしましょうよ。
私が母様に対する認識をあらためていると、ミミリィが母様達に
「……薬は、節度をわきまえてるんですか?」
……わきまえて、ないな。
「大丈夫よ、ただの興奮薬だから。ガルクなんかそれを飲んだらすぐに私を、まるで獣のように激しく乱暴に、それでいて優しく私を求め、愛してくれるのよ。でも欠点としては、その時着ている服を脱がす前に無理矢理破いてしまう事があるくらいね。でもそれがまたいいのよ」
そう言いながら、頬を染めてうっとりするリリスさん。
それに即座に反応するのは
「あの、支配されてる感がゾクゾクして堪らないのよね……私の自由を奪って、言葉でなじってまるで物として扱われるよ
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