34*お姫様の苦悩
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し、依存し合うモノよ」
「そして心も身体も私色に染めてあげるのが真の愛情なの」
「「ねー」」
……いい歳して、何が“ねー”ですか。
そしてシルバ、感動しない。
ミミリィも、あなた達の恋愛がよっぽど普通だから。
あなたじゃなく母様達が間違っているだけだからそんな落ち込まない。
……てゆーかこれは
「よく今まで行き過ぎて嫌われたりしなかったな……」
あ、思わず口から……
しかし、私のその一言を聞いた母様達は、一気に表情を硬くさせる。
なんだ、なにがおこった。
「そうよ……忘れてたわねリリス」
「ええ……今がとっても幸せすぎて、つい忘れてしまってたわねレイラ」
そう言って、互いに手をとりあいながら立ち上がる母様とリリスさん。
なんだ、なにがおこる。
「「シルバ(ちゃん)!!」」
「は、はい!なんですか師匠!!」
師匠って……
「あなたは幸せを手に入れる前に、様々な障害があるわ」
私はシルバが幸せを手に入れると同時に、ナルミの平穏が崩壊する気がするのは気のせいでしょうか。
「例えばナルミさんを狙うカムカムみたいな卑しい女達や、あなたを狙うブブムみたいな醜い男達」
とりあえず、ここら辺には絶対いない。
いたとしても、5秒かからず死ぬと思う。
「国に属する者の宿命として、時には戦地に赴き離れ離れになる事もあるやもしれないわ」
ナルミが来たら、即効で片が付きます。
「ナルミさんの力に嫉妬して、権力で潰そうとする輩も出るかもしれないわ」
なら、そういう母様が……いや、もうやめよ、疲れた。
「でもね、そんな事よりもこれから、あなたが直面するかもしれない最初で最大の障害があるの」
「それはね」
「ずばり」
「「深すぎる愛が時に相手を傷つけ、心を壊してしまう事があるのよ!!」」
……見事なまでに息があってるな。
互いに一言一言、盛大に身振り手振りを加えての演説とは……
これは“意味のない技能”という意味の“むだすきる”という言葉に当て嵌まるだろう。
そんな事を考えていると、シルバがかなり動揺しながら口をひらいた。
「ど、どういう事ですか!?心を壊すって……私が……先生の?」
「ええ、そうよ。いまのあなたは私達がガルク達の心を壊してしまった時と、ほとんど同じ行動をしているわ」
「あの時は私達も、いつもいつもべったりくっついて幸せだったわ……。でもね、その幸せは脆く、崩れやすいものなのよ」
そう言うと母様達は、今度は神妙な面持ちで再び席に座りはじめた。
……ここまで真面目なリリスさんの顔、はじめてみた。
いっつも何があってもホワホワしてるのに……
「……姫
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