ALO編
episode2 思い出の行方2
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に、残念ながらその振る舞いに俺が違和感を覚えることは無かった。気付いた(というほどのことでもないが)のはその誤魔化そうとしているのがバレバレの言い訳だが、それに突っ込みもしない。
話が長引くのは、正直面倒だからだ。
「ごめんね、私がちゃんとお金払うから、」
「いいさ、このくらい。というか……」
さっそく、少々気になっていた事象を確認しておく。
「一応断っておくが、俺は年は十九だ。ガキ扱いは、正直心外だ」
「え、ええっ!? あ、そ、そうだよね、いや、そうですよね!」
「……いや、別にVRMMOで敬語を求める訳ではないが、そこんとこ了解してくれ」
「あ、は、はい、じゃなくて、うん! わ、分かったよ!」
……全く、どいつもこいつも。
まあこの先会う奴ひとりひとりに誤解を解いていくわけにもいくまい。俺が慣れていくしかないのだろ
う。勿論、チビ呼ばわりする奴を鉄拳制裁することに関しては全く躊躇いはしないが。
「んじゃあ、折角の縁だし、お話しようよ! シドはなんであんな強いの!? 飛べない癖にさ!」
「……以前は格闘系のVRゲームやってたんでな。ああ言ったラッシュやジャンプは得意なんだ」
「へーっ。じゃあキミも戦闘メインで来たの?」
「戦闘メイン?」
聞いたことの無い単語に、思わず聞き返す。
「ああ、そっか、分かんないよね。戦闘メイン、っていうのは、プーカの種類だね。プーカは大きく分けて三種類なんだ。一つは、完全にお仕事としてこの世界に来る人。ここならウィンドウいくつも開けるし、目とか指とか疲れないし、事務作業をしに来てるんだ。このテの人には、近場で新しいBGMとかが買えるからプーカは人気なんだ。二つ目は、音楽をしに来る人。プーカは楽譜からの自動楽器演奏とか、キーを弄っての声の質を変えたりとかができるから、自分の好きな声、好きな楽器が自由に使えるんだ。それでストリートで歌ったり、作曲とかしたりする人達。で、三つ目が、」
「その戦闘メイン、って奴らってわけだ」
「うん! 執行部の人たちとか領主さんとかは、すっごい強いんだよ! プーカは大した特殊技能も無いからその分プレイヤースキル重視で、コアな人には人気みたいね。中には戦闘狂って言われるくらいにアツい人もいるしね! シドも、」
「俺は違うかなぁ。少なくとも戦闘狂では無い」
「えーっ! あんなすごいのに!?」
失敬な。俺はこう見えても平和主義者だぞ。あの世界でも最前線での経験値稼ぎという名の虐殺に励む『攻略組』とは違って、積極的に戦闘に関与しては、
(……いたなぁ、確か)
単身でアヤシイ情報屋なんぞを営んでいた俺は、顧客やら大手情報ギルドなんかからいちゃもんつけら
れ、デュエルにまで
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