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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-17商人の町へ
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利品は取っておきたいけど、あまり船を荒らされたくもないし。兄さんにある程度削ってもらって、引き付けてすぐ倒すのが、よさそうだ。十分強くなって、
煩
(
わずら
)
わしいだけになったら、聖水を使ってみてもいいね」
「お、そういや。嬢ちゃんが覚えた魔法、トヘロスとか言ったか。そうなりゃ、あれが使えるな」
「トヘロス?聞いたことないな」
「聖水の効果がある魔法なんだとよ」
「少し、違うけど。聖水は、弱い魔物が近付けないように、するんだけど。トヘロスは、近付いてくる自分よりも弱い魔物を、地中に封じ込めるの。海なら、海の底になるの、かな?いまは、どっちでも、あまり変わらないけど。わたしが強くなれば、トヘロスのほうが、いいかも」
「そうですね。初めて聞く呪文ですが、聖水だと少しの量を船に振りかけても
効
(
き
)
き
目
(
め
)
は薄そうですし、海に
撒
(
ま
)
く意味もないし。今のままでも、魔法として使えるなら、そちらのほうがよさそうですね」
「うん。必要になったら、使うね」
マーニャは見張り台に、トルネコは舵取りに戻り、他三人は、いつでも必要な作業や戦いに出られるよう備えつつ、休憩を取る。
魔物の大群に襲われるようなことは無く、順調に航海を続けて、南の大陸が見えてくる。
見張り台につくマーニャの誘導を受け、上陸に都合が良く、
停泊
(
ていはく
)
する船が目立ちすぎない
入
(
い
)
り
江
(
え
)
に進む。
「コナンベリーでは、こちらの大陸からも輸入してるということでしたけど。整備された港があるわけでは、ないんですね」
「そう言えば、そうねえ。海に詳しいお年寄りがいるっていうお話だから、それくらいあっても、よさそうだけれど。」
「取り引き先のひとつで、交通の
要
(
かなめ
)
というわけではないからですかね」
「そうねえ。維持するにも、
採算
(
さいさん
)
が合わないのかもしれないわね。」
トルネコの指示の
下
(
もと
)
、上陸の作業を
滞
(
とどこお
)
りなく終え、船の防犯処置も済ませた一行は、新たな大陸に
降
(
お
)
り
立
(
た
)
つ。
「さあ、こちらですわ!まいりましょう!」
「やけに、自信有りげだな。地図もねえのによ」
「元商人の勘というのかしら。町とか、洞窟とか、なにかありそうな方角は、わかるのよ。」
「聞いたことがあります!熟練の商人が身に付ける技能で、タカの目というそうです。やはり、トルネコさんはすごいですね!」
「あら、そうなの?知らなかったわ。」
「ええっ!?知らずに覚えるとか、そんなこともあるんですか!?」
「これがそうだって言うなら、そうなんでしょうねえ。」
「……他にも、忍び足とか、宝のにおいとか。口笛が、あるそうなんですけど」
「あら、なにかしら、それ。口笛は、吹けばいいのかしらね。」
早速
(
さっそく
)
、試そうとするトルネコを、ホフマ
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