第十五話 こんなこともできるんだぜ
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ラニはシュンとなって俯(うつむ)く。
あ、そういや申し訳ないことしたな。
大事な剣だったのかもしれない。
闘悟はそう思い、柄をミラニから取る。
「な、何をする!」
「ま、黙って見てろって」
闘悟はそう言うと、折れた剣を持って刃が落ちてるところまで行くと、その刃片を手に取る。
そして、魔力を剣に行き渡らせる。
淡い光が剣を包む。
すると、折れていた剣が、再び一つになる。
その様子を見た者達は顎(あご)が外れんばかりに口を開ける。
「ほれ」
直った剣をミラニに渡す。
ミラニはまだ呆然としている。
「オレの魔力で補強しといたから、滅多(めった)なことじゃ刃毀(はこぼ)れもしないと思うぞ」
「……あ……ありがとう……」
ミラニは剣を受け取り、ぼうっとして闘悟を見つめる。
はいはい、説明しますよ。
そんな早く説明しろみたいな目で皆さん見つめてこないでくれるかな。
「これはさ、改変(かいへん)魔法って言ったらいいのかな。オレの魔力で覆(おお)ったものを望み通りに造りかえることができるんだ」
さっきのは、折れた剣を改変して、より強化した剣に造り変えたということだ。
身体強化に続く、闘悟の第二の能力だ。
「こんな特殊魔法は見たことも聞いたことも無い……」
誰もが口にして呟く。
その後、他の騎士達は話を聞きたがって詰め寄って来たが、ギルバニアがそれを制し、また王の間に戻って来た。
「どうやら、トーゴが異世界人で間違いねえみてえだな」
ギルバニアが嬉しそうに言う。
「ですが、ミラニの言ったように、国の脅威であることもまた事実です」
ベアンが付け足してくる。
「そ、そんな! 言い過ぎですベアン!」
クィルがベアンを叱るが、ベアンは意に返さない。
「なるほど、それで? オレを捉えて処刑でもしますか?」
闘悟の言葉に場が凍りつく。
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