第十四話 一パーセントなんだけどなぁ
[1/3]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
ギルバニアの開始の声で、場が緊張に包まれる。
ミラニがとんでもない殺気を飛ばしてくる。
あの……ホントに殺し合いじゃないよな?
ミラニが地面を蹴ってこちらに向かって来る。
物凄い速さだ。
剣で薙ぎ払うように切りかかってくる。
闘悟はそれを紙一重で避ける。
風切り音が耳を刺激する。
おいおい、ていうか、今の普通に当たってたら即死レベルだぞ?
「お、おい! アイツ、団長の攻撃を避けたぞ!?」
「嘘だろ!?」
騎士達が思い思いの言葉を放つ。
どうやらミラニの攻撃を避けるのは難しいらしい。
ということは、ミラニは相当の実力の持ち主だということだ。
「はあっ!」
ミラニは第二撃を加えてくる。
闘悟はまたも軽く避ける。
ミラニは舌打ちをして、今度は足元を狙って来る。
それも見えていたので闘悟はサッと避わす。
周囲の目には、ミラニの攻撃は電光石火に見えているだろう。
事実、ここまでの攻防は一秒程度。
並みの者ならこの三撃の間に仕留められているだろう。
それを難なくクリアした闘悟の動きに、周りはキョトンとしている。
ミラニでさえ警戒心を強めたように一歩下がる。
「少しはやるな」
「まあな」
「だったらこれだ!」
すると、ミラニの右手から炎が立ち昇る。
へぇ、あれが魔法か。
興味津々(きょうみしんしん)の目で闘悟は炎を見つめる。
「『火の矢(ファイアアロー)』っ!」
数本の矢形(やがた)の火がこちらに向かって来る。
それを見ながら闘悟は魔力を込め始める。
すると、大気が震える。
ミラニはタイガラスに勝ったことがある。
ということは、魔力はタイガラスを倒した時と同じくらいで一応様子を見ることにする。
以前のように一パーセント程度の魔力で体を強化する。
すると、どうしてか周囲の人達が口を開けたまま硬直している。
ミラニも同様に驚愕している。
一体どうしたんだろうか?
とにかく今はあの炎だ。
闘悟は強化した拳で火を払う。
すると、弾かれた炎は足元に落ちる。
「す、素手で弾いたっ!?」
場にいた全員が口を揃(そろ)えて叫ぶ。
ミラニは唖然としていたが、すぐに歯を食いしばる。
さすがは団長の地位に位置する者だ。
「ぐっ……こ、このぉっ!」
ミラニが全力で剣を振るう。
上空から切り降ろされる刃。
そのまま当たれば、左半身と右半身が綺麗に離別することになるだろう。
だから普通なら剣から距離をとるはずだ。
しかし、闘悟は刃を見つめたまま動かない。
「もらったぁっ!!!」
ミラニは勝負が
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ