第十三話 武器? いらねえけど?
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……いやホントに……。
闘悟は殺意の塊であるミラニを一瞥(いちべつ)して肩を落とす。
闘悟達は練技場に辿り着く。
そこには修練している騎士らしき者達がいた。
いきなり国王と王女の来訪(らいほう)に、身が引き締まる思いなのか、場が緊張に包まれる。
そして、ミラニが皆に説明をする。
勝負は一本勝負。
剣あり魔法あり。
どちらか一方が負けを認めるか、もしくは闘えない状態になるかで勝負が決まる。
「さあ、好きな得物(えもの)を選べ!」
ミラニが闘悟に向かって言う。
闘悟の視線の先には幾つもの武器が立てかけられている。
「私は剣を使う」
ミラニは腰に下げている剣を抜くと、正中(せいちゅう)に構える。
剣はよくゲームとかで見るような両手剣だ。
ミラニは武器を選ばず突っ立ってる闘悟に苛立(いらだ)ちを覚える。
「貴様! さっさと武器を選べ!」
「いんや、オレはこのままでいいぞ」
「……は?」
その言葉にミラニだけでなく、その場にいる全員が呆然とする。
「ど、どういうことだ?」
ミラニがもう一度聞いてくる。
「ん? だからオレは武器いらねえって言ってんだけど」
「な、何だと……?」
ミラニが物凄い表情で睨みつけてくる。
ホントに怖い。
「それは……素手ってことか?」
「ああ」
「……馬鹿にしているのか?」
ミラニの言葉に周囲からも殺気が届く。
どうやら他の騎士達からも睨まれた。
オレって完全に悪役みたいだな。
「別にバカになんかしてねえよ」
「だったら何だ!」
いきなり声を張り上げてくる。
「トーゴよ、本当に武器は使わないのか?」
今度はギルバニアが聞いてくる。
「いりませんよ」
「何故だ?」
「だってオレ、武器なんか使ったことありませんし」
そう、地球にいる時だって、別に剣道みたいな武道をしていたわけではない。
確かに喧嘩(けんか)は山程した。
あの時は、立場も立場だったからそういう状況も多く経験してきた。
だけど、武器なんか一回も使ったことなんかなかった。
「使い慣れない武器を使ったところで、邪魔になるだけだし」
「……一理あるな」
「確かに、必要に迫られれば何だって使うけど、別にこれは殺し合いじゃないでしょ?」
闘悟の言葉にミラニ以外は納得いった表情をした。
「で、でもミラニは剣を使うのですよ?」
心配しながらクィルが聞いてくる。
普通なら素手で剣を相手にしない。
「ん〜まあ、見てろよ」
闘悟はそう
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