暁 〜小説投稿サイト〜
トーゴの異世界無双
第十三話 武器? いらねえけど?
[2/3]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
……いやホントに……。
 闘悟は殺意の塊であるミラニを一瞥(いちべつ)して肩を落とす。
 闘悟達は練技場に辿り着く。
 そこには修練している騎士らしき者達がいた。
 いきなり国王と王女の来訪(らいほう)に、身が引き締まる思いなのか、場が緊張に包まれる。
 そして、ミラニが皆に説明をする。





 勝負は一本勝負。
 剣あり魔法あり。
 どちらか一方が負けを認めるか、もしくは闘えない状態になるかで勝負が決まる。


「さあ、好きな得物(えもの)を選べ!」


 ミラニが闘悟に向かって言う。
 闘悟の視線の先には幾つもの武器が立てかけられている。


「私は剣を使う」


 ミラニは腰に下げている剣を抜くと、正中(せいちゅう)に構える。
 剣はよくゲームとかで見るような両手剣だ。
 ミラニは武器を選ばず突っ立ってる闘悟に苛立(いらだ)ちを覚える。


「貴様! さっさと武器を選べ!」
「いんや、オレはこのままでいいぞ」
「……は?」


 その言葉にミラニだけでなく、その場にいる全員が呆然とする。


「ど、どういうことだ?」


 ミラニがもう一度聞いてくる。


「ん? だからオレは武器いらねえって言ってんだけど」
「な、何だと……?」


 ミラニが物凄い表情で睨みつけてくる。
 ホントに怖い。


「それは……素手ってことか?」
「ああ」
「……馬鹿にしているのか?」


 ミラニの言葉に周囲からも殺気が届く。
 どうやら他の騎士達からも睨まれた。
 オレって完全に悪役みたいだな。


「別にバカになんかしてねえよ」
「だったら何だ!」


 いきなり声を張り上げてくる。


「トーゴよ、本当に武器は使わないのか?」


 今度はギルバニアが聞いてくる。


「いりませんよ」
「何故だ?」
「だってオレ、武器なんか使ったことありませんし」


 そう、地球にいる時だって、別に剣道みたいな武道をしていたわけではない。
 確かに喧嘩(けんか)は山程した。
 あの時は、立場も立場だったからそういう状況も多く経験してきた。
 だけど、武器なんか一回も使ったことなんかなかった。


「使い慣れない武器を使ったところで、邪魔になるだけだし」
「……一理あるな」
「確かに、必要に迫られれば何だって使うけど、別にこれは殺し合いじゃないでしょ?」


 闘悟の言葉にミラニ以外は納得いった表情をした。


「で、でもミラニは剣を使うのですよ?」


 心配しながらクィルが聞いてくる。
 普通なら素手で剣を相手にしない。


「ん〜まあ、見てろよ」


 闘悟はそう
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ