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東方守勢録
第十話
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、携帯を閉じた。


「二人とも、とりあえず紫とにとりちゃんを呼んできてもらえるかしら」

「はい!」


妖夢と鈴仙は大急ぎで二人を起こしに行った。








数分後

妖夢達にたたき起こされた紫とにとりは、理由を告げられるとすぐに幽々子のもとに向かった。


「幽々子!」

「あら、案外はやかったのね〜?」

「そんなこと言ってる場合じゃないわ。ほんとに俊司君から連絡があったの!?」

「ええ。私も二人から聞いてびっくりしたわ。で、問題は俊司君たちをどうやって助けるか」

「だから……私を呼んだんだね」


にとりはすべてを悟ったのか、そうつぶやいていた。


「そういうことよ。できるかしら?」

「たぶん……とりあえず、その携帯を貸してもらえますか?」

「ええ」


にとりは携帯を受け取ると、すぐさま装置に差し込んで操作をはじめた。

しかし、前回俊司の携帯の場所を特定したときは、2分もかかることなく特定したが、今回は5分たっても特定できずにいた。


「……ちょっと……時間かかるかもしれない……」

「どうして?」

「電波が悪いんだ。向こうのいる場所が悪いのか……こっちの電波が弱いのか……わからない。最悪場所が特定できないかもしれない」

「そんな……」

「でも、何とかしてみせる!」


にとりはあせる心を押さえ込みながら、必死に装置を動かし続ける。10秒20秒が何分にも思えるくらい、あたりには緊張感があふれていた。

それから何分経っただろう、にとりは突然手を止めて溜息をついていた。


「……どう……なの?」

「なんとか……場所はでたよ……」


そう言ってにとりは画面を見せる。そこには、再思の道周辺の地図と、ひとつの赤い点が浮かび上がっていた。


「ここね」

「うん。でも……確実とは言い切れないよ」

「かまわないわ。行きましょう」


そう言って紫はスキマを展開させた。


















再思の道周辺


「大丈夫でしょうか……」

「こっちの電波は1だから……なんとか場所を特定できるといいけど……」


俊司たちはそんなことを言いながら、ひたすら連絡を待ち続けた。


「まだ周りが見えていたらな……行動できるのに……」

「しかたないわ。もう少し待ちましょう」


そう言った時だった。

何か空間がねじれるような音が鳴り響き、俊司たちの目の前に見覚えのあるスキマが現れた。


「これは……紫様の……」

「ということは……」


一同は固唾を呑んでそのときを待ち
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