第二幕その二
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顔で微笑んでいた。
「もうすぐ姫が来られる。一同下に!」
皇帝を除くその場にいた者全てが頭を垂れる。そして一同が銅鑼の音で頭を上げた時そこにはトゥーランドットがいた。
彼女は皇帝の脇にいた。銀の冠を頭に被りその冠と同じく銀の長い衣を身に纏っている。
そしてその美しい鳳凰の様な黒い瞳でカラフを見下ろしている。その光はあくまで冷たい。
「よくぞ来ました、怖れを知らぬ若者よ」
彼女はカラフを見下ろして言った。
「よくぞ私の出す謎に答えようとここまで来てくれました。礼を言いましょう」
その声は透き通っている。だが冷たく冷気を漂わせている。
「見たところ貴方も異郷より来た者のようですね」
彼女はカラフの顔と服を見て言った。
「それならば遠い昔にこの城で起こった悲劇についてお話しましょう」
彼女はカラフに対し話しはじめた。
「これはもう遠い伝説の時代の話です。この国にロウリン姫という美しい姫がいました」
カラフはその話をジッと聞いている。
「美しいだけでなくその知恵と政はこの国を照らしました。しかしその素晴らしい姫をある日悲劇が起こったのです」
その時トゥーランドットの瞳に憎しみの光が微かに宿った。
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