過去と異世界
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俺は質問ついでに少し前から気になっていた事を聞いてみる事にした。
「私たちはこの国の国王、カールの生徒でした。 あ、カールはここの王であると同時に公式研究の第一人者でもあるんです。しかし彼はある日、国の研究所から大量の原子球と共に姿を消したんです。
そこで私たちは、彼の一番の生徒でしたからその責任といいますか、とにかくカール先生の行方を追っているんです」
一国の主が行方不明とか、しかも国の財産を略奪とか。なんというか……凄いな。カールってやつは。
「タイチさん達は一体何を?」
ツバサは目を輝かせて聞いてきた。
「あぁ、俺達もある人を探してんだ。ナツキ=シライといってな、もし何か知ってたら教えてくれないか?」
もしかしたら、こちらでも白井夏希は有名人かもしれない。
もはや名前すら別かもしれないけど。
「私たちは知りませんね。一般の人探しなら情報屋より奴隷商の方がいいかも知れませんよ」
「ど、奴隷商!?」
淡い期待は脆くも崩れ去ったが、同時に訳の分からん話が出て来てしまった。というか奴隷商という名前からして訳が分かってはイケナイ世界な感じもするが。
「え、はい。奴隷商です。ご存知ありませんでしたか?」
「い、いや、少し驚いただけです。奴隷商は何処に行けば会えるか分かる?」
奴隷と聞いて少し驚いたが、そもそもこの世の言語は日本語ではない。なぜか自動で訳されたものなのだから、奴隷というのはニュアンス的には使用人くらいの意味かも知れない。
ツバサが当たり前の産業みたいに言っている事から、こっちでは当たり前にあるみたいだし。 逆に奴隷商を知らないと怪しまれるかもしれないので、とりあえずは知ったかぶりでごまかしておいた。
まったくややこしい翻訳をしたもんだ。
「奴隷商館ならちょうど情報屋の隣ですね。案内しますよ」
「あ、ありがとう」
と、そのまま赤い街をひたすら10分くらい歩いた所で、一際大きな建物に着いた。
「さ、こちらの大きいのが奴隷商館です」
「で、デッカイな」
例えるなら赤土の山。そのドーム上の屋根は完全に山にしか見えない。
それほど巨大な建物だった。
「イベルダの奴隷商館は世界でも有数の広さらしいですからね。では、私たちはこれで失礼しますね」
「あ、色々とありがとう!!」
それを最後に、ツバサとエリザベータは俺達を置いて隣の小さな赤い半球に入っていった。
「ど、どうするグランシェ?」
「なんだタイチ、奴隷と聞いて引け腰か?」
いやいや、こちとら普通の日本男子なんだよ。まぁアメリカ在住だったけど。
「奴隷なんてそこら中にゴロゴロ居やがるよ。特に戦争中の場所なんて、兵隊は一種
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