彼と彼女の出会いはきっと偶然ではない。
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突然だがこの学校、総武高等学校は少し歪な作りをしている、言葉で表現するなら学校を上から見た形がカタカナのロのような形をしている。
そんな歪な形の校舎を俺と比企谷は平塚先生の先導の下、特別棟の方向に向かい中庭を足取り重く歩く
道中俺は平塚先生に聞こえない様にヒソヒソと比企谷に話し掛ける。
『なぁ比企谷、ぶっちゃけ嫌な予感しかしないんだが』
「先生は奉仕活動って言ってたが何するんだろうな?……ゴミ集積所の掃除とかか?」
『ゴミ集積所は逆方向だぞ、それにこの先は特別棟ぐらいしかないはずだが』
「特別棟か……ッ?」
特別棟という単語を聞き考えるようなそぶりをしながら辺りを見回した比企谷は急に表情を苦虫を噛み潰したような顔に変える。
やっと気づいたか…その気持ちよく分かるぞ比企谷…
そう俺達が現在いる場所は中庭である。
中庭とは、リア充の聖地である。
昼休みや放課後に友達と楽しく談笑し、ピクニック気分で昼食を取り、カップルはベンチで愛を語らう。
フンッ全く持って馬鹿馬鹿しい、あまりの馬鹿馬鹿しさに羨ましいとも何とも思わない。
俺と比企谷は一度足を止めリア充共をチラリと睨みつけると平塚先生を追い歩きだす。
『「リア充マジ砕け散れッ?」』
どうやら俺と比企谷の思考は見事にシンクロしていたらしい。
同じタイミングで同じ事言うとか、真のぼっちの思考回路は皆大体同じらしい、某学園都市の欠陥電気さんの脳内ネットワークも真っ青である。
なにそれ、ぼっち最強じゃね?とかどうでもいい事を考えていたら、いつの間にか特別棟の廊下まで来ていたようだ。
平塚先生は様々な部活動室がある中でプレートに何も書いてないただの教室の戸の前で立ち止まる。
「着いたぞ」
ちょっとイイ笑顔で言う平塚先生に俺と比企谷は絶句しアイコンタクトで会話を行う。
……おい比企谷、この人まさか俺達にこの教室の片付けとかやらせるつもりじゃないか?
……バリバリの肉体労働だろこれ、ちょっとイイ笑顔で何言ってんの、えっ何この人鬼畜なの?ヒトラーもビックリだぞ。
……もし肉体労働じゃないんだとしても嫌な予感しかしない、あんなちょっとイイ笑顔をした人と関わると碌な事がない……ソースは俺。
……自虐ネタやめろ?小学校の時、俺の上履きを隠しやがった苛めっ子のちょっとイイ笑顔を思い出しちゃうだろうが?どうしよう、先生のあの笑顔が恐ろしい。
……フッ心配するな比企谷、体育の授業の度に鍛えられてきた俺の必殺技はこういう時の為に使うものだ?
『平塚先生、俺…教室に入ると俺の中にいるもう一人の俺が出てきて、
誰彼構わず決闘を申し込んでしまうんです』
「君はど
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