彼と彼女の出会いはきっと偶然ではない。
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…俺じゃなきゃ泣いちゃうからな。
「ふぅん。私が見た所によると、どうやらあなた達が独りぼっちなのってその腐った根性や捻くれた感性が原因みたいね」
「腐ってて悪かったな」
『グッ…否定できないのが悲しい』
雪ノ下はグッと握り拳に力を入れて熱弁する。
「まずは居た堪れない立場のあなた達に居場所を作ってあげましょう。知ってる?居場所があるだけで、星となって燃え尽きるような悲惨な最後を迎えずに済むのよ」
『?なんの話だ?』
「《よだかの星》かよ、マニアックすぎんだろ」
「……驚いた、宮沢賢治なんて普通以下の男子高校生が読むとは思わなかったわ」
「今、サラリと劣等扱いしたな?」
『ちょっと待て?今の話しが分からなかった俺は普通以下なのか?』
「ごめんなさい、言いすぎたわ。人間以下というのが正しいわね」
『良く言い過ぎたという意味か?人間以下ってどういう事だコラ?』
「おい、俺の現国の成績は学年三位なんだぞ?」
……こいつ失礼にも程があるぞ、初対面の相手を劣等種扱いするなんて、俺には某金ピカの英雄王くらいしか心あたりがないぞ。
「ハッたかが三位程度でいい気になるなんて程度が低いわね、だいたい一科目の試験の点数如きで頭脳の明晰さを立証しようなんて恥ずかしくないの?」
「グッ言わせておけば?」
比企谷は雪ノ下の氷のように冷たい視線に射抜かれ怯む
「《よだかの星》と言えば春夏君にぴったりよね……よだかの容姿とか」
『何と無くお前が俺の容姿を悪く言ってるのはわかるから?どうせならはっきりと言ってくれます?遠回しに言われると余計に辛くなるから?』
「そんな事言えないわ、真実は時に人を傷つけるから」
『思いっきり言ってんじゃねぇかッ?』
すると雪ノ下はやけに真剣な顔で俺を見つめると
「真実から目を背けてはいけないわ。現実を、鏡を見て」
『ヒドイッ?…クッ俺の顔立ちは整ってるって、やけに悟った表情で小町ちゃんが言ってたんだからな?』
「春夏、いちいち会話の引き合いに俺の妹を出すな」
さすが小町ちゃん見る目があるな。それに比べこの学校の女子は。
……ケッ
雪ノ下は頭痛でもするかのようにこめかみをおさえ。
「あなた馬鹿なの?美的感覚なんてただの主観よ?つまり、この場においては私の言う事だけが正しいのよ?」
『クソッ滅茶苦茶な理論なのに筋が通っている気がする』
「いや、通ってないから?騙されるな春夏?」
雪ノ下はそう言うと右手で髪を撫で上げ、達成感に満ちた表情を浮かべにこやかに微笑むと。
「さて、これで人との対話シュミレーションは完了ね、私のような女の子と会話出来れば大抵の人間とは会話できるはずよ、
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